最近警察小説で読んでいた麻見さんの鮎川哲也賞受賞のデビュー作。
国立大学医学部解剖学教室を舞台にした謎解きというよりはサスペンスという方がいいか。三十歳になる助手千紗都が主人公。解剖学の実習中に、学生が解剖した死体の腹から奇妙なものが見つかった。径七ミリで、四センチばかりのチューブ。両端が塞がれていて、中には紙片があり、謎のメッセージが書かれていた。
園部よ、私は戻ってきた/今ここに物語は幕を開ける
解剖学の教授は園部。その教授宛のメッセージか。誰がいつチューブを入れたのか。
はじめは知らぬ振りをしていた教授だが、第二のメッセージが現れたり、奇怪な出来事が起こったりして、教授は動揺を隠せない。解剖学教室は温厚な教授の人柄のせいか、仲良く研究していて、誰もが教授を尊敬し好いていた。
千紗都も父親のように慕っていたため、謎解きの調査を申し出るが、教授は許さない。それでも気になる彼女は、新米で正体に怪しげな事務員梶井に誘われるようにして、解剖の献体となった人物を調べ始める。そしてその老女の手術をした医師を突き止める。久世。自殺して今はいないが、息子がいたという。その息子が解剖学教室内か周辺にいるようだ。それは誰か?なんと園部教授の先輩で、彼に突き落とされたかのように、大学をやめた男がいたことがわかる。その男が婿養子に入って久世になったようだ。
何かが起こると警戒した千紗都と梶井。千紗都は暗闇の中で犯人と遭遇し、命を落としかける。さらに園部、久世の恩師である北先生が事故死し、その片腕が切り落とされて持ち去られる事件が起こる。
千紗都は久世医師の息子の少年時代の写真を手に入れ、それが講師の小田島だと気づく。問い詰めてみると久世の息子だとは白状したが、事件には無関係だという。昔、父からの手紙を受け取り、父が大学で受けた屈辱を知り、復讐することを求められたが、冷静に過去を調べた彼は復讐はしなかった。
行方不明になっている園部教授の隠れ家と思われた教室の地下にある秘密の実験室を見つけた千紗都に襲いかかったのは、教室の女学生だった。彼女もまた久世の残した子供の一人だった。何十年後に、自分の遺伝子を持つものを使い、復讐を試みた久世医師の異様さ怖さ。
読ませる作品だが、ホラーに通じる異様さが後味よくないな。
国立大学医学部解剖学教室を舞台にした謎解きというよりはサスペンスという方がいいか。三十歳になる助手千紗都が主人公。解剖学の実習中に、学生が解剖した死体の腹から奇妙なものが見つかった。径七ミリで、四センチばかりのチューブ。両端が塞がれていて、中には紙片があり、謎のメッセージが書かれていた。
園部よ、私は戻ってきた/今ここに物語は幕を開ける
解剖学の教授は園部。その教授宛のメッセージか。誰がいつチューブを入れたのか。
はじめは知らぬ振りをしていた教授だが、第二のメッセージが現れたり、奇怪な出来事が起こったりして、教授は動揺を隠せない。解剖学教室は温厚な教授の人柄のせいか、仲良く研究していて、誰もが教授を尊敬し好いていた。
千紗都も父親のように慕っていたため、謎解きの調査を申し出るが、教授は許さない。それでも気になる彼女は、新米で正体に怪しげな事務員梶井に誘われるようにして、解剖の献体となった人物を調べ始める。そしてその老女の手術をした医師を突き止める。久世。自殺して今はいないが、息子がいたという。その息子が解剖学教室内か周辺にいるようだ。それは誰か?なんと園部教授の先輩で、彼に突き落とされたかのように、大学をやめた男がいたことがわかる。その男が婿養子に入って久世になったようだ。
何かが起こると警戒した千紗都と梶井。千紗都は暗闇の中で犯人と遭遇し、命を落としかける。さらに園部、久世の恩師である北先生が事故死し、その片腕が切り落とされて持ち去られる事件が起こる。
千紗都は久世医師の息子の少年時代の写真を手に入れ、それが講師の小田島だと気づく。問い詰めてみると久世の息子だとは白状したが、事件には無関係だという。昔、父からの手紙を受け取り、父が大学で受けた屈辱を知り、復讐することを求められたが、冷静に過去を調べた彼は復讐はしなかった。
行方不明になっている園部教授の隠れ家と思われた教室の地下にある秘密の実験室を見つけた千紗都に襲いかかったのは、教室の女学生だった。彼女もまた久世の残した子供の一人だった。何十年後に、自分の遺伝子を持つものを使い、復讐を試みた久世医師の異様さ怖さ。
読ませる作品だが、ホラーに通じる異様さが後味よくないな。