正直よくわからなかったミステリー。著者は戦前から戦後にかけて執筆したイギリスの女流作家。本書の主人公であるミセス・ブラッドリーという奇抜な老婦人の探偵が活躍するシリーズを書き続けた。最盛期は四十年代で、本国でも玄人受けする作家だったようで、一般への知名度は同時代の作家セイヤーズやクリスティに比べてマイナーな作家。
女学校の教師と兼業で執筆を始め、専業作家になったのは六十歳。教師生活の影響か、若者の描写が生き生きとしている。
探偵であるミセス・ブラッドリーは、小柄で痩せていてしわくちゃ、魔女を思わせる黒い目は眼光が鋭い。は虫類を思わせると表現されることもある。

事件の発端はオクスフォードの大学生オハラはクロスカントリーというスポーツでイギリス南西部の野原や町を走っていた。野うさぎをおう狩人を模したそのスポーツで、彼は狩人役。獲物をおううちに道に迷い、出会った車の男に、獲物とは違う道を教えられた彼は夜間道に迷い、一軒の屋敷にたどり着く。誰かと間違えられたようで、遅かったなと言われ、二回から包帯でぐるぐる巻きにされた病人を下ろし、車に乗せる手伝いをさせられる。しばらく走ったあと、とある場所で男は誰かと待ち合わせしている。病人と聞いていたが、死体にしか思えないオハラは、車から飛び出し逃げ出す。一軒のパブで一息ついたオハラは衣服が血だらけなのに気づき、怖くなる。死体遺棄の手伝いをさせられたのではないかと。
近くの病院に問い合わせてもそんな患者は見つからない。犯罪に手を貸してしまったかと不安になった彼は高名な女探偵に話を聞いてもらう。

頭からバカにされるかと思いきや、ミセス・ブラッドリーは親身に話を聞いてくれ、とても興味を覚えた様子。秘書のローラ、従者のジョージと共に、調査に乗り出す。

オハラが目撃した男のように、この地域で失踪した男が何人かいるのが明らかになる。しかもなぜか九年ごとに、同じような芸術家が、古代の遺跡ストーンサークルのある場所で失踪している。それらの人々を調査していく過程で、同行したオハラは、あの夜の男の声を聞く。
さらに踊るドルイドと呼ばれる怪しげな儀式も目撃する。

何か大規模な犯罪計画が背後にあるようだが、その中身がなかなかつかめない。
ミセス・ブラッドリーのお陰で解決はするが、その筋道がよくわからなかった。