警視庁殺人分析班シリーズ一作目。
新人女性刑事如月塔子は小柄で童顔。彼女が所属するのは、警視庁捜査一課十一係。十人の刑事がいるが、そのうちの早瀬係長ら五人ほどが、難事件の最中に私的に近所の料理屋の一室で、事件について話し合う。それが殺人分析班と呼ばれる。

深夜に起こされて現場に向かった塔子が見たのは、廃ビルの地下室で見つかった異常な遺体。モルタルで石像のように固められている。しかも毒殺されていて、胸の辺りの石膏がわざわざめくられて、肌が傷ついている。
最初は五里霧中の捜査本部だったが、なんと犯人から電話があり、話し相手に女性刑事を指名したため、塔子が相手をすることになる。犯人の言葉に逆らわず、少しづつ犯人や事件の中身を知っていく捜査本部。

第二の被害者が見つかった頃には、多少は事情がわかってくる。十七年前に母と共に誘拐され、後に救出された子供が犯人らしい。母親は殺されたようだが遺体は不明。当時捜査に加わっていた塔子の父親のミスで身代金の受け渡しに失敗し、迷宮入り。

独自に母の遺体を見つけ、犯人だった二人を処刑した犯罪のようだ。

しかも犯人の少年時代にノートに書き残した言葉によれば、三人目の犯人がいる様子。今度こそは未然に防ごうとした塔子たち捜査本部の刑事たちが、犯人の指示に従い発見した廃工場で、爆発事件が起こり、多数の警官が負傷。どうやら無能の警官への恨みから企てられたもの。なんとか命拾いした塔子が、休息をとるように命ぜられて帰宅してみると。そこには捕らわれの身の母親と犯人がいた。スタンガンにより塔子も捕まる。犯人が狙う第三の復讐相手は実は塔子の父親だった。すでに死亡した父の代わりに、同じ職に就いた塔子と母親を、自分の母と同じようにモルタル詰めにしようとする。

母と娘は協力して、犯人の隙をつき、撃退。犯人の正体に気づいた仲間が助けに来てくれた。

殺人分析班が話し合う料理屋でバイトしていた青年こそ、犯人だった。分析班の話から捜査本部の様子を聞き、犯行していた。

火山の噴火で埋もれたイタリアの都市ポンペイ。生き埋めになり、死体の跡を残す発掘された石。まるで石の繭のような。水中にモルタルで埋め込まれた犯人の母も同じような跡を残していた。