『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』に続くシリーズ第三弾。

私鉄沿線にあった遊園地がディズニーランドの開園でさびれた。赤字が続き、回復見込みもなく、親会社の経営も圧迫するということで、閉園も取りざたされた。それを救ったのはマンガ編集者として知られた加瀬。日本一のマンガ雑誌の編集者として辣腕を振るったが、敵や意見が違うものも多く、結局編集長とぶつかって退職。広告会社に勤める妻とも子供を持つことなく離婚。その後噂が途絶えた彼が元妻の会社に持ち込んだのが、遊園地の再生計画。最初は取り上げられなかった彼の構想が実を結び、遊園地は再生を果たす。

そんなあらたに隆盛をはじめた遊園地ファンタシア・パークを舞台に、そこで働く人々や、職員同士の交流、園にもちあがった事件を描いている。

交通事故から救うという名誉の負傷でほほに傷を持つ大学生亮輔は、それが元の喧嘩をして退学。就活がうまくいかずくさっていた彼は顔の傷が見られない着ぐるみの仕事をしようと、遊園地に応募し採用される。バイト。低賃金で使い捨てされるだけと知りながら、夢を売る仕事を志望するものはおおい。
そんな彼が実地研修でまわされた仕事は宇宙服のような制服のインフォメーション・センター。しり込みする彼を説得したのが伝説のパル、ファンタシアの魔女と呼ばれる六十近い女性及川。五十過ぎてバイトを始め、二年もしないでシニア・パル。今は親会社から出向の本部長補佐として、実質的に職員のトップ。
顔の傷をいかした苦情処理に駆り出され、見事な対応を誉められる。

ダンサー志望の遥奈はオーディションが受かるまでの繋ぎと生活費のために遊園地のショーダンサーに。まわりの仲間が向上心がないとはじめはバカにしていたが、先輩の抜けたあとのヒロインに抜擢されてから、思い違いに気づく。一流のダンサーはどこにいても全力を尽くす。観客が子供であってもその反応は嬉しく励みになる。

電気系統のメンテの責任者前沢は、ショーの行われる劇場の照明が消える事故に遭遇。分電盤の中で何かが燃えたようだが証拠はない。バツイチの彼に興味を示す子持ちのマドンナ。誰にも心を開かないマドンナの過去を知った前沢は自分の過去を打ち明け交際を始める。

遊園地の秘密を探るものがいる。特に目当ては魔女の正体。彼女の秘密が明かされたとき、事故の謎もあきらかになる。
なかなか面白かった。お仕事小説と再生物語