アメリカの児童文学作家ポリー・ホーヴァートの2003年全米図書賞受賞作。

十三歳のラチェットはフロリダで母親ヘンリエッタと一緒にマンションの地下二階に住んでいた。窓もなく、壁の向こうには虫がうごめいているような陰気な部屋。父親は彼女が生まれた頃家を出て顔も知らない。母親の望みは地元の高級社交クラブに入会して乗馬やテニスをすること。女中などの安月給で得た金は使いもしない乗馬服に消え、満足な食事もできない生活。

そんな母がいきなり夏休みは遠縁の家で過ごしなさいと彼女を列車にのせてしまう。母も少女の頃世話になったメイン州田舎にすむ双子の老女ティリーとペンペンのもとへ送り込まれた。
九十は越えてると思われ、免許を持たない老女に駅まで迎えられて、暗闇のなかをドライブ。熊などが出没する森を抜けてたどりついたのは広い庭のある屋敷、そばには海岸があり、波の音がうるさいほど。

今にも倒れそうな二人の老女は見かけは元気に働いている。毎朝牛の乳しぼりをし、分離機にかけてミルクとバターを作る。鶏の世話をし、家庭菜園で野菜も作っている。
二人の老女の母親は社交的だったのに父親に屋敷にとどめられたことが原因でノイローゼになり自殺。それも斧の刃をギロチンにして我が首を切り落とす自殺だった。そんな頭につまづいてきづいたと話すペンペン。そんな思出話を聞かされながらも、次第に自然のなかでの暮らしや動物の世話を楽しみ出すラチェット。
そんな屋敷に孤児院へ行くつもりで道に迷い訪れた十四歳のハーパーと妊娠中のおばさん。なき母の代わりにと、当時十五歳のおばさんがハーパーを育ててくれた。彼氏ができ妊娠したおばさんは彼氏の母親のいるカナダにいくことにし、邪魔なめいを手放すことにした。

間違って訪れたものの、ハーパーが庭仕事が好きであることを知り、気に入ったぺんぺんらは彼女を引き取ることにする。それからの四人の生活は幸福なものだった。彼氏だと言うテニス講師をつれてきたラチェットの母も訪れるが、どう見ても不釣り合いな二人。
ぺんぺんとティリー老姉妹が父をなくしてから生活資金を作るために始めたブルーベリー・ソース。今年はラチェットやハーパーが手伝い、ヘンリエッタの彼氏ハッチも手伝ってくれた。

二人の老姉妹亡きあと屋敷を引き継いだのはラチェットとハーパー。そして新たな家族を生み育てていく。