書店に勤める女性によるミステリーの他に、一流出版社千石社に勤めるいろんな社員の奮闘を描いた作品を書いている著者。

今回は新米ながら週刊誌に配属された女性日向子の奮闘を描いた作品。

千葉の田舎出身でやぼったい女性日向子は、思いもかけず一流出版社に採用されてびっくり。しかし、最初に配属されたのがPR誌の編集だったのでひと安心。ようやく慣れたと思ったら、行きなりの配置転換。しかも、一番嫌っていた週刊誌。他人のあら探しをしたり、事件の関係者のプライベートを暴いたり、スクープ記事を得るためにはなんでもやる部門だと思っていた。しかも東大出の同期の男子がノイローゼのために配置転換になったばかり。新人をいきなり世間を騒がす事件に関わらせるなんて理不尽だと憤慨していたのに。つまりは彼の代わりに配属されたようなもの。

社会的な事件をおう班が四つあり、その一つに配属された。彼女が最初に命じられた仕事は世間で騒がしい連続女性殺害事件の容疑者がかつて世話になった保護司へのインタビュー。見知らぬ新潟の山奥に取材に行ったものの取材相手はおらず、携帯の電源が切れて、夜中道に迷う。取材相手のことを飛び込みで聞いた家が見つかり、一夜泊めてもらうことで帰ることができた。成果のない取材旅行だったが、それがラストのスクープにつながることになる。

行方のわからない容疑者が接触した女性の中で一人行方不明の女子高生がいる。彼女がバイトしていたブティックを探し出すように言われた日向子はなんとか見つけることができ、彼女のことを心配するが、彼女の仕事はそこまで。
新人がやらされるのは世間を騒がす事件でも、関係者へのインタビューなど、ネタをもらうことより、ネタの確認や信憑性を確かめる地道でつまらない仕事ばかり。

自分からインタビューを仕掛けたカリスマ経営者。先輩が嫌に親切だと思っていたら、その経営者も連続殺人に関わりがあるらしい。

日向子の地道な活動がきっかけになり、逃亡中の殺人犯のインタビューをうるというスクープに繋がる。しかも彼は真犯人ではないようだ。彼を援護する千石社。どうやらあの経営者が関わっている様子。

取材のためには、新人とはいえ、深夜でも一人取材に出掛けたり、張り込みをしたり、大変そうだが、スクープの種を見つけるという仕事もやりがいがありそうだ。