以前に出たシリーズガイドブックに収められた小藤次若かりし頃の騒ぎを描いた中編「品川の騒ぎ」に、その後日談ともいえる中編「野鍛冶」を合わせた作品。
前者では品川辺りで騒いでいた悪仲間にふりかかった事件の顛末が描かれる。仲間の首領は大名家三男坊の若様。商人の倉番というもうけ話が持ち込まれ、条件のよさに疑惑を抱いた小藤次だが、金に困る仲間のために手伝うはめになる。念のためにと自分達が雇われた理由を調べてみるととんでもないことがわかる。若様の兄が毒薬を盛られていて、あとを狙う次男の世話役が三男を邪魔に思い殺そうとして、彼らを雇ったことがわかる。しかも商人は抜け荷までしていてアヘンを扱い、近在からさらってきた娘を外国へ売ろうとしている。兄を心配する若様は頼りになる家来により、父親である主君に手紙をしたためて知らせ、幕府役人でもある主君に商人の行状を知らせる。小藤次は仲間を率いて、さらわれた娘を助けようと用心棒に立ち向かい、役人が来るまで引き留める。事件をきっかけに仲間は解散し、それぞれの道に進む。

仲間だった寺侍光之丈に相談され、江戸外れの村の野鍛冶に養子縁組にいくことを勧めた小藤次。

その光之丈が暮らす野鍛冶一家にふりかかった災難に立ち向かう小藤次の活躍を描いたのが後編の作品。

覚悟が足りない上に二十代で鍛冶職人の見習いを始めた光之丈が困っていると聞いた小藤次は、研ぎ仕事の初歩だけでも教えて助けようと光之丈のもとへ。愚痴ばかりの彼に失望して帰りかけた小藤次だが、腹の大きな妻共々謝罪する光之丈にほだされて、研ぎを教える。なんとか続けていきそうなところに飛び込んできた災い。村を仕切る商人のわがまま。しかも背後にはやくざが控えている様子。親方の妹娘がさらわれて、切羽詰まった光之丈は小藤次に助けを求める。しかも村の若者を募って自分達が矢面にたとうとする気概を見せる。若い頃の過ちから彼も何事かを学んだのであろう。小藤次は昔の騒ぎで知り合った南町奉行に知らせ、後顧の憂いをたった上で、若者らとやくざの一家に立ち向かう。やくざが禁制の鉄砲まで用意していたことで、後始末は奉行書に任せられた。それにしても小藤次のすごさ、優しさはいいね。


じっとしていても汗が滴る猛暑が続き、参りそうだったが、少しはスカッとした。