平塚おんな探偵の事件簿1。
デビュー作『謎解きはディナーのあとで』ほかいくつものシリーズを書いている東川さんだが。

私が読むのは本作が二作目。前に読んだのは十代の少女探偵が主人公だったが、今回はアラサー女子が探偵。
神奈川県の平塚、横浜や湘南のすぐ隣に位置するが、あまり有名ではない街。その競輪場近くの古びた三階建てのビルに、生野エルザ探偵事務所はある。
語り手は探偵であるエルザの高校時代の親友美伽。東京で就職していたが、恋に破れ金を持ち逃げされて退職し、帰郷した。そんな彼女に声をかけてきたのが旧友エルザ。仕事を手伝えと言われ、いってみると、エルザは女探偵だった。
誰にも噛みつく気性の荒さから高校時代についたあだ名がライオン。でも実際は映画・野生のエルザからついたのかも。
ミニスカートからのびる脚は魅力的、シンプルで活動的なファッション。茶色のショートヘアー。会社勤務していた美伽から見ると、エルザは高校生の時のまま。しゃべり方もタメグチで、依頼客の半分は、その話し方に腹をたて帰るみたい。そんな一見がさつなエルザだが、推理力に優れ、事件を次々と鮮やかに謎解きしていく。平塚署の若い刑事宮前刑事は,そんな彼女を名探偵だと持ち上げ、吹聴しているが、どうやらあわよくば手柄を横取りしようとしている様子。しかし、謎解きまではともかく、それ以後の煩雑なことは本職の刑事に任せればいいというのもありがたいかも。

そんなエルザの活躍する五つの事件が語られる。

婚約者の男性の不可解な態度に疑問を持つ女性からの依頼。浮気かと思ったら、男性の秘密の楽しみが原因で殺される。
スナックで働いていた女性が恋人にもなにも言わずに失踪。どこへいったのか、なぜいなくなったのか。

七夕まつりの会場で殺された大学講師。人気講師にはトラブってる女子大生がいて容疑者となるが、犯行時間にはエルザたちに尾行されてる最中。果たしていかにして殺人を実行したのか。

怪しげな占い師が見せる鏡のトリックとは。それを利用したアリバイを作り、殺人に出掛けていた。
マンション七階の密室状態の部屋で見つかった老人の首絞め遺体。自殺は考えられないが、他殺なら犯人はどこから出入りしたのか。いつもはおとなしい美伽も友の敵討ちと被疑者を乱暴する、一面があったとわかる。