警視庁に依頼されて、専門分野の知見により犯罪捜査に協力する法医昆虫学捜査官赤堀涼子の活躍を描いたシリーズ第四作。とはいえ私ははじめて。

東京都の西の外れ、西多摩の山村でバラバラ死体の一部が発見。なんどか事件に携わり、信頼を得た涼子も参加。ただ警察内部にも反感を持つものはいて、捜査の指揮を執るキャリアの女性管理官もその一人。見かけは童顔で、振る舞いは中学生並みだが、三十路の赤堀は肝っ玉も座っていて、周囲の反感も気にせずに、我が道を行く。付き従うのは、何度もコンビを組む警視庁の刑事岩楯と地元の警察官で山岳警備隊員でもある牛久。彼が第一発見者でもある。

見つかった両手の一部だけでは被害者の身元も死因もわからない。解剖の結果死体は死後十日と判断されたが、赤堀は死体にいる昆虫の様子から十七日はたっているという。
捜査は十日説にもとづきはじまり、死体の残り部分の発見のためにローラー作戦が行われるが、見つからない。

死後の日数の違いにこどわった赤堀は様々な死体に群がる昆虫を調べ、発見された遺体の一部は、他から動物によって運ばれたのではないかと考え、周囲に残る痕跡からタヌキの巣を探し始め、ついに発見。死体の残りも見つかるが、それ以前に一部が持ち出され、町の公園に遺棄された。防犯カメラなどにより怪しいものが見つかり、捜索。

現場の山村には新しいよそ者は二つの家族。高校生の息子がイケメンで問題を起こしている父子。年老いた両親と定職を持たない息子。
のちに高校生はアレルギーがひどく、越してきたことがわかる。彼はそんな自分のことをネット動画に流して金を得ていた。後者の息子は殺人の罪で服役したが、遺族に付きまとわれて、逃げてきたとわかる。

彼らが事件に関係あるように見えて、事件の全貌がつかめないまま、話の展開はすすまない。アレルギーの治療を手助けした村に住む、もと香水作りで、薬草にも詳しい女性を介することで、ようやく真相にたどり着く。新たな香水のために死体の一部が利用されるというおぞましい真実。犯人が自供しても証拠が一切ないという。これでも解決と言えるのかな。あまりすっきりはしない。