イギリスのファンタジー作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品。
十九歳の女子大生ポーリィは自宅にある一冊の本がきっかけで、自分には今に繋がる記憶と、現実とは食い違うが真実のような気がする大切な別の記憶もあることに気づく。壁にかけてある写真が一枚足りない気がするし、読みかけの本に記憶のあるタイトルが見当たらない。それらの原因を探るべく、ポーリィは九年前の十歳の頃の出来事をたどりはじめた。
両親の不仲のため、祖母の元で過ごしていたポーリィは友達とごっこ遊びに興じていて、古い屋敷に迷い込んでしまう。ハロウィンの日にそこでは葬式が行われていた。遺言状の発表に立ち会うことなり戸惑う彼女を一人の青年が外に連れ出してくれた。トーマス・リンと名乗る彼は、チェロ奏者でオーケストラの団員。屋敷の美しき女相続人のもと夫で、いくらかの絵の相続を受けていた。ポーリィのいたずらで、持ち出してはいけない高価な絵を持ち出したため、女相続人の新たな夫と、そのつれ子につけ回されるようになる。
出会った頃は十歳だった少女とのロマンチックなラブストーリーにも思えるが、なんかおかしい。
オーケストラを友人と退団して、四重奏楽団をはじめたリンは、もと妻のローレルに気づかれないように、密かにポーリィと連絡を取る。折に触れ、児童文学を次々と送ってきて、読むようにすすめる。これらの本は何かのメッセージなのか。
やがて秘密が暴かれる。ローレルは妖精界の女王。夫とはいえ、彼女に属する奴隷のようなリン。暫しの自由を与えられて、音楽に精進するリンは、女王の元に戻る定めだったが、それから逃げる手段として、ポーリィを利用しようとした。昔話に、愛する人間の女性によって妖精界から自由になった男のことが描かれている。
出会った頃に青年リンと少女ポーリィがしていたごっこ遊びまでもが、妖精との駆け引きに関連する人々が描かれたもの。むしろ二人の遊びを利用して、女王が半ば現実化したのかもしれない。
気持ちだけでは女王の軛から逃げ出せず、不用意に発した言葉が我が身を縛ることにもなる。成長し、愛を知ったポーリィは、妖精のやり方を逆手に取るような奇策で、なんとかリンを助け出すことに成功するラストは、正直よくわからなかった。しかし、全能の女王の鼻をあかしたということで、スッキリした。
十九歳の女子大生ポーリィは自宅にある一冊の本がきっかけで、自分には今に繋がる記憶と、現実とは食い違うが真実のような気がする大切な別の記憶もあることに気づく。壁にかけてある写真が一枚足りない気がするし、読みかけの本に記憶のあるタイトルが見当たらない。それらの原因を探るべく、ポーリィは九年前の十歳の頃の出来事をたどりはじめた。
両親の不仲のため、祖母の元で過ごしていたポーリィは友達とごっこ遊びに興じていて、古い屋敷に迷い込んでしまう。ハロウィンの日にそこでは葬式が行われていた。遺言状の発表に立ち会うことなり戸惑う彼女を一人の青年が外に連れ出してくれた。トーマス・リンと名乗る彼は、チェロ奏者でオーケストラの団員。屋敷の美しき女相続人のもと夫で、いくらかの絵の相続を受けていた。ポーリィのいたずらで、持ち出してはいけない高価な絵を持ち出したため、女相続人の新たな夫と、そのつれ子につけ回されるようになる。
出会った頃は十歳だった少女とのロマンチックなラブストーリーにも思えるが、なんかおかしい。
オーケストラを友人と退団して、四重奏楽団をはじめたリンは、もと妻のローレルに気づかれないように、密かにポーリィと連絡を取る。折に触れ、児童文学を次々と送ってきて、読むようにすすめる。これらの本は何かのメッセージなのか。
やがて秘密が暴かれる。ローレルは妖精界の女王。夫とはいえ、彼女に属する奴隷のようなリン。暫しの自由を与えられて、音楽に精進するリンは、女王の元に戻る定めだったが、それから逃げる手段として、ポーリィを利用しようとした。昔話に、愛する人間の女性によって妖精界から自由になった男のことが描かれている。
出会った頃に青年リンと少女ポーリィがしていたごっこ遊びまでもが、妖精との駆け引きに関連する人々が描かれたもの。むしろ二人の遊びを利用して、女王が半ば現実化したのかもしれない。
気持ちだけでは女王の軛から逃げ出せず、不用意に発した言葉が我が身を縛ることにもなる。成長し、愛を知ったポーリィは、妖精のやり方を逆手に取るような奇策で、なんとかリンを助け出すことに成功するラストは、正直よくわからなかった。しかし、全能の女王の鼻をあかしたということで、スッキリした。