空賊船長雲のオオカミが誕生するまでのクウィントとマリスの青春時代の冒険を描いている。
前巻で仲間とともに異常寒波に襲われていた崖の国を救ったクウィントとマリスは、迎えに来た父の風のジャッカルに伴い、空賊船ゲイルランダー号の船員となる。しかし、ジャッカルは空賊本来の仕事を放り出し、船をいろんなところに飛ばしては危険な目に遭う。彼には憎い敵がいた。かつての部下で、彼の欲を禁じたために逆恨みを受け、留守の屋敷に火を放たれ、最愛の妻と五人の子を失っていた。生き残ったのは屋根の上に逃れ出た末っ子のクウィントだけ。敵も火に巻かれて死んだと思っていた。その敵タルボットから呼び出しがあると、復讐に目が眩んだジャッカルは罠と知りながらも、敵を求めて危険に飛び込んでしまう。家族の問題だからクウィントも同行。恐ろしい断崖、水門の塔、奴隷市場、危険な難破船。

深森で嵐に巻き込まれ、一足先に樹木に降りたクウィントとマリスを残して、船は嵐に飛ばされてしまう。深森の危険に習熟していたクウィントはマリスとともにテツノキを探し、その梢まで登り、合図の火をつける。下にまで火が飛び、危機一髪の二人はなんとかジャッカルに助けられる。

飛行船を持ち、船長になることを望む若き空賊ソウが途中から仲間に加わるが、表面の柔和さの影に何かを隠している様子。

空賊に煮え湯を飲まされ続けてきた地上町の商人連合議長は岩の園で密かに巨大な浮遊石を育てていた。彼のもくろみが明らかになるのはラスト近く。巨大な浮遊石を搭載した巨大な飛行船により、空賊たちの船団の前に姿を現す。ジャッカルを失い、新米船長となったクウィント、雲のオオカミの前に現れた。仲間の空賊たちの船が次々に撃ち落とされ、孤立無援のゲイルランダー号。しかし、なぜか巨大船はいきなり落下していく。巨大な浮遊石を育てるために、奥深くの石核に埋め込まれていた嵐晶石のかけら。それを包んでいたヒカリムシの皮がなくなるとともに、莫大な重量となり、浮遊石とともに船を落下させた。辛うじて助かったクウィントの前に現れたのは憎い敵タルボット。サンクタフラクスで飛行騎士団として訓練を受けたクウィントの剣は勝っていて、タルボットを倒す。つけていた仮面をはぐと現れたのはゲイルライダー号の空賊船長になることを夢見ていたソウだった。ジャッカルを東奔西走させていたのもタルボットではなく、ソウの策略だった。飛行騎士団に戻るクウィント。