はじめての作家、それも芥川賞作家。作家名だけは図書館の本棚で馴染みだった。人を見たら蛙になれ、そんなタイトルが目についていた。
今作のタイトルも、うちが雨漏りで困っているときに、目が止まり、気になっていた。何度か手にとり、覗いてみたものの、いまいち正体がわからない気がして、なかなか借りるに至らなかった。
著者の出身である北九州市、そこに住む中年主婦が主人公。日曜はゴルフに行くばかりの夫と、テニス部の高校生の息子と三人暮らし。至って平凡で静かな毎日。専業主婦ながらテレビを見て過ごしたり、昼間に寝ているわけではなく、夕食の支度をしたり、家事をするか趣味をする。
築十八年の木造二階建ての家に雨漏りがするようになり、夫が瓦の隙間に塗布剤を塗ったり、ビニールシートを被せてみたが、おさまらない。新車購入資金を使って、修理を業者に頼むことになる。隣町の義兄の紹介で現れたのが、永瀬工務店と名乗る五十代の背が高くがっしりした男。屋根専門だといい、早速雨漏りする台所や二階の息子の部屋、屋根の上を点検して帰っていった。その夜、見積もりを知らせてきた。総額四十万円で、工期は五日くらい。
仕事を始めた永瀬はラジオをかけることもなく、黙々と一人で作業をしている。瓦を剥がして下の防水シートを代える。瓦をまるで皿を積むようにしてるカタリ、カタリという音が気持ちいい。三時の休憩にはじめておしゃべりをする。二人とも静かに作業をするのが共通する。話題を転じて屋根のことを聞くと、色々話してくれる。雨が降りだしたので台所で休憩。チヂミを出してやり、話が進む。以前は寺の屋根を仕事にしていた。職人冥利につきるやりがいのある仕事だったが、途中で抜けるのも難しい。妻がガンを患い、やがて死んだときも死に目に間に合わなかった。以後、神経症になり仕事もやめていたが、回復と共に、一般家庭の屋根屋を始めた。神経症の治療にと医者に進められ、夢日記を書きはじめて十年あまり。各地の寺院の屋根に興味があり、見に行ったり夢に見るという。そんな趣味に興味を示す主婦にも夢日記を勧め、夢の見方の指南もする。
そして二人は共に同じ寺の屋根の夢を見ることで、夢の中で行を共にするようになる。各地の寺院ばかりでなく、さらにはフランスのゴシック建築を見るようになり、空を飛んだり鳥になったり、いつからか夢と現実が渾然としてきて、不思議な思いをするようになる。ファンタジーなのかな。
今作のタイトルも、うちが雨漏りで困っているときに、目が止まり、気になっていた。何度か手にとり、覗いてみたものの、いまいち正体がわからない気がして、なかなか借りるに至らなかった。
著者の出身である北九州市、そこに住む中年主婦が主人公。日曜はゴルフに行くばかりの夫と、テニス部の高校生の息子と三人暮らし。至って平凡で静かな毎日。専業主婦ながらテレビを見て過ごしたり、昼間に寝ているわけではなく、夕食の支度をしたり、家事をするか趣味をする。
築十八年の木造二階建ての家に雨漏りがするようになり、夫が瓦の隙間に塗布剤を塗ったり、ビニールシートを被せてみたが、おさまらない。新車購入資金を使って、修理を業者に頼むことになる。隣町の義兄の紹介で現れたのが、永瀬工務店と名乗る五十代の背が高くがっしりした男。屋根専門だといい、早速雨漏りする台所や二階の息子の部屋、屋根の上を点検して帰っていった。その夜、見積もりを知らせてきた。総額四十万円で、工期は五日くらい。
仕事を始めた永瀬はラジオをかけることもなく、黙々と一人で作業をしている。瓦を剥がして下の防水シートを代える。瓦をまるで皿を積むようにしてるカタリ、カタリという音が気持ちいい。三時の休憩にはじめておしゃべりをする。二人とも静かに作業をするのが共通する。話題を転じて屋根のことを聞くと、色々話してくれる。雨が降りだしたので台所で休憩。チヂミを出してやり、話が進む。以前は寺の屋根を仕事にしていた。職人冥利につきるやりがいのある仕事だったが、途中で抜けるのも難しい。妻がガンを患い、やがて死んだときも死に目に間に合わなかった。以後、神経症になり仕事もやめていたが、回復と共に、一般家庭の屋根屋を始めた。神経症の治療にと医者に進められ、夢日記を書きはじめて十年あまり。各地の寺院の屋根に興味があり、見に行ったり夢に見るという。そんな趣味に興味を示す主婦にも夢日記を勧め、夢の見方の指南もする。
そして二人は共に同じ寺の屋根の夢を見ることで、夢の中で行を共にするようになる。各地の寺院ばかりでなく、さらにはフランスのゴシック建築を見るようになり、空を飛んだり鳥になったり、いつからか夢と現実が渾然としてきて、不思議な思いをするようになる。ファンタジーなのかな。