アヴィ『ポピー ミミズクの森をぬけて』を読み始めたが、どうも以前に読んだことがある本のようで、結局、拾い読みで済ませて、ぼうしネコを読んでいた。

ドイツ、ハンブルク在住のブレーメン放送局の台本作家ジーモン・ルーゲが、奥さんデージのアイデアを取り入れながら描かれた作品とか。夫妻はじめての児童作品で、出版社がなかなか見つからなかったものの、一旦出版されると、登場人物のユーモア溢れた会話が評判になり、ラジオドラマや人形劇として人気になった。

ドイツでは珍しい動物のユーモア物語だが、イギリスには数多くある。私が最初に連想したのは『楽しい川べ』だが、『クマのプーさん』も同類だな。

ハンブルクへ行くはずだったぼうしネコと名乗る麦わら帽子を被ったメスネコ。間違えて乗った汽車が止まった終点駅の田舎町に降りる。町の名が気に入り、一回りしてみるとすぐに町外れに行き着く。その通りの最後の家に、貸家の札を見つける。二階建ての洋館で庭があり門で囲われている。中に入ってみたが玄関には鍵がかかっている。裏へ回ってみると、台所口が開いている。勝手に中に入り、部屋を見て回り、気に入ってしまう。そのまま居座ってしまう。
三日後日光浴をしているところに現れた男。頭の禿げた太った男。誰の許しを得て、中に入ったのかと憤慨している。それに対してネコは誰に連絡すればよかったのかわからなかった。貸家の札には名前しかなく、住んでる場所がわからなかった。借りたいと思い、試しに住んでいるところだと。当地でビール工場を営む名の知れたものだと言いながらも、男の態度が変わる。十年借り手のなかった生家にやっと借り手ができたかと。

陽気で口のうまいネコはちゃっかり借りる話をまとめてしまう。やがて、ネコは仲間を次々と増やして同居人にしていくものの、請求されて渡した少額以外は家賃を払わないまま済ませ、ついには家賃ただにまで話を丸め込んでしまう。

最初に仲間となったのはメンドリ。船乗りを引退した犬。大きなマルハナバチ。トカゲ。コウノトリ。ムカデ。ラマ。双子の発明家。
彼ら同居人たちのきてれつな行動や、家主を巻き込んでの騒ぎなど、ユーモア溢れるエピソードが綴られていて、ゆかいな物語。

これの続編も出ているようだが、そこまで読む気にはなれないかな。楽しいとは思うが、仲間でわいわいやっているだけで、冒険も事件もないのは退屈でもある。