著者はイギリスの作家で、様々な分野のミステリーを器用に書きこなす作家だとか。そんな彼が、三人の子供たちに読ませたいと、はじめて書いた児童ファンタジー。好評のため出版社に続編を要請されて、三部作として完結。

ニューヨークで資産家の銀行家と、美人で社交界の花である母との間に生まれた双子。兄ジョンと妹フィリッパは、外見は似てないが、考え方などはよく似ているし、シンクロすることも多い。

十二歳を迎えた二人は同じように数本の親知らずが生え、母の命で抜歯手術を受けることになる。麻酔薬で眠った二人は、夢のなかで母の弟であるニムロッド叔父さんに会い、夏休みにロンドンの叔父さんの屋敷で過ごすことを両親に頼むように言われる。

手術した頃から二人の回りでは不思議なことが起きる。数日で身長が延びたり、ニキビが治ったり、回りの人に幸運が訪れたり。

夏休みに叔父さんのもとへ行き、二人は自分達の秘密を明かされる。アラブ世界で精霊とか魔神と呼ばれるジン。世界には、光でできた天使と土からできた人間の間に、仲介役として火でできたジンがいて、運を管理している。かつてこの三者が善悪ニ派に分かれ、ジンには三種族づついる。善のジンのマリッド族の家系に生まれたのが二人の母で、その子供にもジンの資質が伝わっている。その現れが不思議な出来事であった。

世界は善悪ニ派のバランスの上に成り立っているが、今は少し悪に傾いている。善の仲間を増やすために、エジプト王朝時代に異端と言われた王イクナートンが消息不明になったときに、そばにいた七十人のジンをいち早く見つけて、仲間にしようとしている叔父さんの使命に、二人は巻き込まれていく。

ジンは人に三つの願いを叶える能力があるし、姿を変えることもできる。二人は叔父さんにカイロにつれていかれ、ジンの仲間入りの儀式を済ませた後、魔力の学習を始める。

そんなときに、失われたイクナートンの墓場が見つかり、最大のライバルである悪のジンのイフリート族のイブリスが、それに近づいているという知らせが入る。

その暗闘のなかで捕まった叔父を助けた二人は、大英博物館でなんとかイクナートンのジンをこの世に出し、味方につけたものの、イブリスと共に叔父まで瓶に閉じ込められてしまう。ジンが弱る極寒の地におもむき、叔父だけを助け出そうとする二人。最後には叔父を助けだし、イブリスが入る瓶は北極海に沈める。