『ダンクトンの森』三部作を読み終え、次は軽いものをと思っていたが、一緒に借りた同じ著者の、これを思いだし、先に読んだ。

二十世紀の初めに、ケネス・グレアムが発表した『川べにそよかぜ』は評判になったもののグレアムの死により続きがなかった。
少年時代にそれを楽しんだホーウッドが、グレアムの設定に忠実に書いた続編『川べにこがらし』。そこに再現された登場人物たちに歓迎した読者たち。本作はその続きに当たる作品。

原作では当時出始めた車を手に入れ、一騒動を起こしたヒギガエルは、新たな続編では、飛行機を乗り回して、判事の温室にバラシュート降下してまたまた騒動を起こし、重罪に処せられた。川べの仲間であるアライグマさんの力で、許されて屋敷に戻ったヒギガエル。牢にいる間に空き屋敷にはいった盗賊に火をつけられ燃え尽きた屋敷。しかし亡き親の配慮で保険が入り、再建された屋敷。庭の一角にかつてあった銅像の代わりに、自身の銅像をたてて不滅のヒキガエルを記念しようと思い付いたヒキガエル。親戚のフランス人の女性彫刻家を呼び寄せることから今回の騒動は始まる。

川べの仲間がほとんど独り者ばかりで、今は楽しいが、彼らが死ねば後には何もなくなると感傷にひたるモグラ君は鬱状態。前回垣間見たあの世をまたみたいと思ったり。そして仲良しの水ネズミと二人で、小舟で川を遡る旅に出掛ける。

やって来た彫刻家に一目惚れして、恋に突き動かされて、またも判事宅に押し込み騒動を引き起こしたヒキガエルは、彫刻家の息子の伯爵と、持ち船で逃げ出して、同じように川上に遡る。

仲間の調停役でもあるアナグマには家を出た息子がいた。今も仲直りすることを望んでいることに気づいたモグラ君は、川遊びのついでにその息子を探してみようと思っていた。
そして川の上流にある湖に棲む巨大なカワカマスにより、あわや死を迎えかけたモグラ君とネズミは、アナグマの息子とその息子親子に助けられる。

合流した彼らが一緒にヒキガエルの屋敷のパーティーに戻ったとき、また一騒動。伯爵夫人の尽力で、ヒキガエルの罪は免除されたのに、お膳立てされていた夫人との婚儀を放棄して、ヒキガエルは再度罪に服し、縛り首を言い渡される。その危機を救ったのはなんと、判事屋敷から鞍替えした執事だった。彼が罪を被って国外に逃れ、ヒキガエルに、伯爵である少年ヒキガエルの暮らしを残した。アナグマには息子と孫ができた。