ようやく一冊読了。それだけ時間がかかったのではなく、読み始められなかった。
幸子は小学六年の不登校女児。五年までの仲良しが転校し、受験のために塾通いするクラスメイトと、うまくいかず、孤立し、言葉も出なくなり、学校にいけなくなった。
彼女が住む屋敷は東京には珍しい広大な庭を持つが、たまに手入れをしてくれた祖父がなくなってから、荒れ放題でお化け屋敷のよう。
今は九州に住む百歳近い曾祖母が嫁に来たときに、曾祖父が作らせた庭。その曾祖母が、人生最後の訪問に来ると言う。各地に住むおばさんや大おばさんも来宅予定。
あわてて園芸屋に電話しても、数日では無理だと断れ続けられた母は落胆。電話帳にあった広告から、留守番していた幸子が電話してみると、セイキチと名乗る老人が引き受けてくれた。
やがて訪れた清二社長が庭を眺めわたし、職人の手配などを済ませて帰る。やって来た三十前の若い職人はプロの植木職人だった。無駄話もせず、たんたんと仕事をしていく。うっそうとしていた庭が次第に明るく風通しのいい魅力的な庭に変貌する様子を見ながら、幸子も母の靖子も見とれ、感心するばかり。人と話せない幸子が田坂という職人に話しかけ、道具の説明を聞いたり、庭の植物についてあれこれ話してもらう。小学生にも対等に話してくれる田坂は、古い桐のまな板を預かり、新品同様に削ってくれたりもする。幸子と靖子もプロの職人にはと、高級な菓子を出したり、幸子がカレーライスをつくって昼食にしてもらったり。
群馬の石灰石ほりをしていた田坂の父親。祖父は野鍛冶をしていた。事故死した父のかわりに祖父と過ごした田坂は、鍛冶職は継げなかったが、祖父の作ったハサミを使う職につきたいと植木職人になる。最初に入った大会社では努力の甲斐あり上達はしたが、同僚の妬みもあり、ついに他所へやられる。そして入ったのが清吉清二の会社。規模は小さいが、腕のある職人がいて、世話をする庭とその植木のすべてを頭に入れている社長が、臨機応変に職人を派遣して仕事をする。水を得たさかなのように仕事に熟練していく田坂。先輩と二人で、幸子の庭を任された。
短い日数にもかかわらず、客の目線、思いを考えた見事な仕事。
文化の日に孫夫婦につれられてきた曾祖母は言葉にはならないが、満足した様子。幸子が手を引き、曾祖母に庭を案内すると、忘れていた思い出や家族のことが浮かび上がる。
幸子も庭も生き返ったそんな職人技。
幸子は小学六年の不登校女児。五年までの仲良しが転校し、受験のために塾通いするクラスメイトと、うまくいかず、孤立し、言葉も出なくなり、学校にいけなくなった。
彼女が住む屋敷は東京には珍しい広大な庭を持つが、たまに手入れをしてくれた祖父がなくなってから、荒れ放題でお化け屋敷のよう。
今は九州に住む百歳近い曾祖母が嫁に来たときに、曾祖父が作らせた庭。その曾祖母が、人生最後の訪問に来ると言う。各地に住むおばさんや大おばさんも来宅予定。
あわてて園芸屋に電話しても、数日では無理だと断れ続けられた母は落胆。電話帳にあった広告から、留守番していた幸子が電話してみると、セイキチと名乗る老人が引き受けてくれた。
やがて訪れた清二社長が庭を眺めわたし、職人の手配などを済ませて帰る。やって来た三十前の若い職人はプロの植木職人だった。無駄話もせず、たんたんと仕事をしていく。うっそうとしていた庭が次第に明るく風通しのいい魅力的な庭に変貌する様子を見ながら、幸子も母の靖子も見とれ、感心するばかり。人と話せない幸子が田坂という職人に話しかけ、道具の説明を聞いたり、庭の植物についてあれこれ話してもらう。小学生にも対等に話してくれる田坂は、古い桐のまな板を預かり、新品同様に削ってくれたりもする。幸子と靖子もプロの職人にはと、高級な菓子を出したり、幸子がカレーライスをつくって昼食にしてもらったり。
群馬の石灰石ほりをしていた田坂の父親。祖父は野鍛冶をしていた。事故死した父のかわりに祖父と過ごした田坂は、鍛冶職は継げなかったが、祖父の作ったハサミを使う職につきたいと植木職人になる。最初に入った大会社では努力の甲斐あり上達はしたが、同僚の妬みもあり、ついに他所へやられる。そして入ったのが清吉清二の会社。規模は小さいが、腕のある職人がいて、世話をする庭とその植木のすべてを頭に入れている社長が、臨機応変に職人を派遣して仕事をする。水を得たさかなのように仕事に熟練していく田坂。先輩と二人で、幸子の庭を任された。
短い日数にもかかわらず、客の目線、思いを考えた見事な仕事。
文化の日に孫夫婦につれられてきた曾祖母は言葉にはならないが、満足した様子。幸子が手を引き、曾祖母に庭を案内すると、忘れていた思い出や家族のことが浮かび上がる。
幸子も庭も生き返ったそんな職人技。