エリオン国物語第一巻。

主人公は十二歳のアレクサ。彼女はラズベリー町の町長の娘。町は十メートルあまりの壁で囲まれていて、その外を見ることも出ることも許されていない。ブライドウェルという中心から、ルーネンバーグ、ターロック、ラズベリーの三方向に延びる道路も壁で両側を遮られている。

外の世界からの脅威を防ぐには有効だが、反対にそれによって迷惑を被ったものもいる。
生来好奇心旺盛なアレクサは町中を探検したり、外の世界を見ようとしたり、外へ出る秘密の出口を見つけようとしていた。

これらの壁をつくった四つの町の創設者ウォーヴォルドは、年寄りだがアレクサの友達でもある。そんな彼が壁をつくったのは間違いだったかもとアレクサに打ち明けた夜、急死する。首にかかったペンダント内にあった銀の鍵を持ち出したアレクサは、図書室内にあった秘密の扉を見つける。単身もぐりこみ、地下にあった通路をたどっていくと、小人のヤイプスが待ち構えている。どうやら彼女はある使命を果たす者として選ばれ、そこに導かれたらしい。彼が渡した緑に光る石をもつと、なぜか動物の声が聞こえる。
ヤイプスからオオカミのダライアスに引き継がれて、たどりついたフェンウィック森にはこの森の動物たちを治めるハイイログマのアンダーが待っていた。いきなりできた四つの町を繋ぐ道路を守る高い壁、それによって家族と分断された動物たちがいた。地下の通路は小さくて小動物にしか行き来ができない。
壁を作るために北の町からつれてきた囚人たちは、工事のあとは返されたと思われていたが、実は野放しにされた。壁の材料となる年度を掘った地下には、辺り一面に広がる地下通路があり、囚人たちはそこで暮らした。そしていま、彼らは蜂起して地下から地上に現れて、中心の町ブライドウェルを乗っとる計略を進めていると、アレクサに伝える。しかも囚人の一人が密かに町民として暮らしていて手引きをすると。囚人の攻撃をかわし、動物たちの不幸を終わらせるには壁を壊すしかない。それを町民に伝える使者として、アレクサは選ばれた。

町に戻ったものの、町に潜むスパイの正体がわからないため、誰にも打ち明けられない。いつも彼女を脅す警備隊長パーヴィスが酔って不遜な発言をしたかどで牢屋に留置された。アレクサは逆に彼こそ信用できると打ち明けて、囚人からの攻撃の防衛に成功する。壁も壊され、動物たちも自由に移動できるようになったが、声は聞こえなくなる