美心国際学園BISのビブリオバトル部の活動を描いた第二作。雑学本が得意で、大阪弁丸出しの発表をする部長。科学関係の本ばかり読む巨乳美女の明日香。BL好きなミーナ。ノンフィクションしか読まない体育会系の武人。SFおたくの空。図鑑などビジュアル系の本が好きな中等部の銀。六人の個性的な部員を持つビブリオバトル部。今回バトルのテーマになるのは、怖い話と戦争。

他の文化部並みに夏の合宿をしようと言うことになったものの、行く先が決まらないし、父親と二人暮らしの空には高い料金は払えない。そこで思い付いたのが、造り酒屋の武人の屋敷。築60年の雰囲気ある大きな日本屋敷。

二十畳はあるという座敷がバトルの会場と、参加女子四人の寝間になる。部を取材しているメールマガジン部の金髪白人ながら、日本生まれで日本語を話すニクスも参加。さらにバトルの場には、武人の両親や祖母も参加する。バトルのテーマは雰囲気に合わせるような夏の定番、怖い話。それにちなんだ各自が選択した本を発表する。一番手の空はイギリスのSF作家ウィンダムの短編。漂流した宇宙船でのカニバリズム。二番手はミーナで、小野不由美『魔性の子』。部長が持ち出したのはコンビニ本。武人が持ち出したのは生活保護に関する現実生活の恐怖。銀が取り上げたのはモンスター図鑑。しかも昔からの姿そのままではなく、アレンジされ、その生態までもが想像で書かれている。明日香さんが出してきたのは児童小説。学校の怪談でお馴染みの呪いのメールの話だが、怖いのはオチ。呪いは怖くない、本当に怖いのは幽霊なんていないという事実だと。近親者を亡くしたことのあるものには、同意できない事実だが。死んでも魂は今もここに帰ると信じたい。

後半では、近所の図書館ではじめて行われるビブリオバトルのデモンストレーションとして、BISの面々がバトルする。図書館から与えられたテーマは、これまた夏にお馴染みの戦争。ちまたで流行る戦艦を美人に擬人化したゲームが好きな部長と、反対する武人の口論もあり、一発触発。明日香さんのライバルや顧問候補で世界史教師の朝日奈先生が来て、バトルは盛り上がる。銀は宗田理『ぼくらの太平洋戦争』。明日香さんは戦場での人殺しの心理。部長が取り上げたのは特攻機に突撃された空母の様子。空は筒井康隆の『馬の首風雲録』、武人は戦場ジャーナリストの本。積極的には読む気には慣れないが、無視できない本だな。今回も楽しく読めた。