読みごたえがあり、面白く、一気に読んでしまった。 632頁はそれでもさすがに大作だ。でも残り頁が少なくなると、なんか寂しくなる。

レッドウォール伝説第三巻の本作では、第一巻で、戦士マサイアスが伝説の勇者マーティンの剣を見つけ出し、モスフラワーに平和を取り戻してから八年後を描いている。
修道院の入り口に新居を得たマサイアスには息子マッティメオがおり、今作では二人の親子の勇者の活躍が見られる。

毎年恒例の戦勝記念の宴の夜、軽業一座の触れ込みで宴に参加したきつねは、眠り薬で皆を眠らせ、子供をさらっていく。奴隷商人フレイザー。八年前の事件で母を殺された恨みをマサイアスと修道院へ晴らそうと画策。遠く南方の地のはての地下採掘場へ、他の地からさらった子供と共に向かう。ろくに休みも食事も与えられず、歩かされていく間に、まだいたずら盛りだったマッティメオらは次第に成長し、仲間と共に苦難に耐えていく。

最初は宴の翌朝降った雨で、子供がさらわれた方向さえわからなかったマサイアスらは、同じように子供をさらわれたアナグマとハリネズミを仲間に加え、南に向かう。勇者マーティンが夢枕にたって話した謎を解き、子供たちの行き先が初代院長が以前いた修道院だと気づいた院長は、スズメの女王らに、マサイアスらへの知らせを頼む。
修道院の空の護り手であるスズメたちがいなくなったのを見済まして、北の国から逃れてきたカラスの一団が、スズメの居所を乗っとり、修道院の征服をたくらむ。屋内に立てこもり、敢然と立ち向かう残ったものたち。

マッティメオら子供たちの動静、彼らを追うマサイアスら救助隊の様子、そして修道院内でのカラス一味と残ったものらの戦い。三つの対峙が交互に描かれ、緊迫感を盛り上げていく。

一度は追い付きながら洞穴に閉じ込められたマサイアス一行、地下の採掘現場にまでつれていかれ、閉じ込められた子供たち。そしてついに追い付いたマサイアスらが、敵のドブネズミは圧倒的な数をもって立ち向かい、すんなりとは勝てない。
見かけ倒しの敵の首領をマサイアスが倒したのをきっかけに、形勢逆転。囚われ働かされていた動物たちを解放し仲間に加えることで、ついに勝利を得るマサイアス。そして勇者たちの帰還と歓迎。やがてマサイアスは引退し、勇者の剣を受けついたマッティメオ。彼にもやがて息子マーティンができる。

第四巻以降は勇者の系譜以外の人物が主人公になり、より広い世界が舞台に