シリーズ第三巻「だれがゴドーを殺したの?」上下二冊を、咋深夜ようやく読了。一応目を通したというだけ。
最愛の夫ランデンを根絶され、希代の悪党アシュロンの妹エイオーニスにつけ回されるサーズデイ。偶然を操り、サーズディを殺そうとした前巻のたくらみは逃れたものの、彼女には他人の記憶を自由にできる力があり、今回は彼女の分身のようなものがサーズデイの頭脳に巣くって、ランデンの記憶を隠したり、戦争で死んだのが兄ではなく、親友のランデンに改変したり、とサーズデイを混乱させる。なぜか新たなこの世界にサーズデイの祖母が現れて、記憶をなくすことを阻止する手助けをしてくれる。

エイオーニスなどから身重の体を守るために本の世界へ逃れたサーズデイだが、今巻ではブックワールド内の警察といえるジュリスフィクションの保安員として刑事活動をさせられるサーズデイ。指導役はミス・ハヴィシャム。そうした保安員としての活動をしながらも、このブックワールドで起こる犯罪行為や事件に立ち向かうサーズデイ。さらにこの世界の根元にある小説のOSのアップグレードにまつわる陰謀に立ち向かうサーズデイ。指導教師ミス・ハヴィシャムや仲間を殺されながら、陰謀を暴くサーズデイ。

忌まわしい、記憶の底に封印していた記憶を祖母の命令で直視したとき、記憶を操るエイオーニスを撃退できた。でも肝心の根絶されたランデンの復活に関しては、今巻では進展なし。

ブックワールドという世界の内容、構成が、なんともすごい。すごい想像力だと感心するとともに、幻惑されて戸惑いを覚えるほど。脚注を利用した電話交信とか、誤植を引き起こすウィルス。そもそも現実世界の本は著者によって書かれたものではなく、ブックワールドで構想され、本になり、そのイメージが、現実世界の著者のアイデアとして現れる。そんな本の原型が二十六階の大図書館ビルに収納され、いまだ本にならない構想だけの本や、まとまりのないイメージなどまでが地下の二十六階にあるという。

正直言えば、話が広がりすぎて、ついていけない部分もある。文学刑事サーズデイを主にした物語を期待していたが、圧倒的にカラフルなブックワールドの方が主になっている今巻は期待外れかな。

ジェネリックの男女が成長していくエピソードはよかったが。

原書は第七巻まで出てるが、翻訳は2007年の第三巻で止まっている。もう出ないのか?せめてランデンの復活と子供は見たかったが。