サブタイトル「さらば、大鴉」、本文が 597頁。ようやく最後までたどり着いた。三日かかった。

第一巻で、イギリスを牛耳るゴライアス社の役員ジャックを、エドガー・アラン・ポーの詩作品「大鴉」の中に閉じ込めて、厄介払いにしたサーズデイ。ジャックの弟シットが今回は兄の奪還をもくろみ暗躍する。スペックオプス12局の時間警備隊のラヴォワジエを買収して、サーズデイの夫ランデンを消去してしまう。彼が幼い頃にあった事故で、彼が助かり、代わりに父親が死んだという歴史を変えて、彼が死んだことにしてしまう。サーズデイの記憶には残っているが、回りには彼の存在がない。サーズデイは妊娠したまま、独り暮らし。

さらに第一巻でサーズデイが倒した悪党アシュロンの妹エイオーニスが復讐のために、偶然を操る能力で、サーズデイをなきものにしようと画策する。

時間警備隊を飛び出したサーズデイの父親がランデン復活のために過去の事件に戻るが、ラヴォワジエの妨害ではたせず、第二巻では戻らなかった。

第一巻では、サーズデイの伯父マイクロフトが発明した文の門なる装置で、本の中の世界へ入り込んだが、すでに破棄されて使えない。ゴライアス社から逃れようと、伯父は引退し姿を消した。

サーズデイは幼い頃、日本人女性ミセス・ナカジマの本の朗読により、その中に入り込んだ経験がある。そのやり方を知ろうと、大坂まで行ったサーズデイは、彼女には会えなかったが、残された伝言から、少し知ることができ、本の世界へ入り込む。

その世界にはいろんな本の登場人物がいて、その世界独自の保安係もいる。その世界の中心には大図書館があり、『不思議の国のアリス』に登場するチェシャ猫が管理している。保安係の教育係のミス・ハヴィシャムは、ディケンズ『大いなる遺産』に登場する薄汚れた花嫁衣装を着たオールドミス。

サーズデイは彼女の弟子となり、ブックジャンプを習い、シットに囚われたときには、彼女の救いで難を逃れる。最後にはシットなどから逃れて出産をするために、サーズデイは知られていない本の中の世界に避難する。

ブックジャンプによって、本から本へ、時には現実世界へ出入り自由になるサーズデイは、いまや単なる文学刑事の枠を越えてしまい、この先話がどう進むのかわからなくなる。それはまたどんな奇抜な発想が飛び出すか、楽しみでもあるが。無事に出産を終え、消された夫ランデンが戻ればいいな。