はなはなみんみ物語三部作のラスト。

今回はまず、満月本土の現状から話が始まる。百年ほど前の小人族の大戦争。いまだ全土に火が回らないうちから、密かに生き延びる方策を考えていた一団の科学者たち。緑の石の力を利用して、霧状のドーム壁を作り出し、外界とは無縁に暮らせる町を作り出し、家族など知り合いだけを集めた。やがて激しくなった戦争にも影響されずに、本土で唯一生き残った千人ばかりの小人たち。しかし、戦火から身を守ってきたドームはそとへ出ることも許さず、次第に生きる希望をなくし、ドームを無理に抜けようとするものが多数でる。長寿だった小人族も寿命が減り、ついに十人足らずしか生き残らなかった。長老は、母を亡くしたばかりの少年に、自分の魔法を伝授しようとする。外界へ出られないドームでは不要な空中飛びや水中くぐりの魔法は消えて、残った魔法は、なげる魔法。ものでも言葉でも遠くへ飛ばすことができる。

人の気をすいとる緑の石の魔力は、それを持つものの意志により、その性質になり、一旦定まった性質は破壊するまで変わらない。外界から守るというドームを破壊するには、別の緑の石に反対の意志の性質を植え付けて、破壊させる他ない。それには外界に仲間がいる。言葉投げにより、外界と連絡を試みてきて何十年。のびと少年の前に習ったうねびおじさんは外界の仲間の存在を信じられず、挫折していた。
苦労の末、自身の心を制御できるようになったのびとはついになげる魔法を会得。それでも現れない仲間。諦めかけた頃に、本土に来てドームに近づいたのが、はなはなたた四人の若者。のびととドーム越しに話をした四人は四ツ星が差し込む地点にある緑の石を探すために旅立つ。

四ツ星が見えるのは一年のうち数日だけ。その期間までに、未知の土地に行き着かなければならない。満月を過ぎ、新月に近づく時期で、月の力を利用する空中飛ばしの魔法は十分ではない、でもやらねば。

旅だった四人を待ち受けるのは、廃墟に巣くう小人の亡霊、戦時中地中に逃れて空を飛ぶことを忘れた鳥地走り、巨大なサボテン、小人族を知恵から生まれた兄弟というふくろう一家。目的の山を取り巻く樹木たち。大災害の因となった小人族を追い払おうとする老大木。ついに緑の石を探しだし、ドームに捕らわれた仲間を救い出すはなはなたち。

二百歳を迎えたはなはなが多くの孫世代の子供に取り囲まれて暮らすラスト。

小人に託して、現代の人間の心を問う物語か