中学二年になった遥。一年の時にクラスにいた数学オタクの宙の始めた数学屋。数学を利用してのお悩み相談。宙がアメリカに転校して、店長代理になった遥。数学なんて大嫌いだった遥は宙のお陰で数学に少しは慣れ親しんできて、わからないながらも数学の本をあれこれ読むようになった。長い夏休みも懸命に数学の本を読んだものの、わかったようなわからないような。自信なくして、数学屋廃業とつぶやく遥をたしなめたのは親友の真希。三年生が退部して、ソフトボール部の新キャプテンになった真希。夏休みも共に練習に明け暮れた。その疲れた体をものともせずに、嫌いだった数学の本を読みあさり、いつしか好きになっていた遥だが。一人では何もできないと自信喪失気味。

二学期が始まってのクラスの最大イベントは学校祭。古くは歌にも詠まれた鴫立つ水辺にちなんだ鴫立祭。

クラスの出し物を何にするかで紛糾するクラスに数学屋遥が立ち上がる。関連する数値を見つけ出し、計算して、舞台での芝居と模擬店、どちらがいいか?遥は数学屋的思考で模擬店を導き出す。それも早くからより詳しく準備すればよい結果をもたらす。遥には強力な助っ人がいる。宙のいない穴をカバーしてくれる仲間たちが。

学校祭の入り口のアーチをどう美しく作るか?
クラスの模擬店は店員がチャイナドレスを着て接待したり、真希発案の揚げアイスが好評で目的額を達成できそう。

不登校の女生徒を学校にこさせるにはどうすればいいか?好きな相手にコクったが失恋したという噂。だけど不登校とは時期が違う。学校祭に呼んで楽しいことを見せるか?

スカイプを利用しての学校祭での宙との数学屋デモンストレーション。月までの距離を測る。宙がいる場所での月のある方向と、遥たちのそれを測り、三角関数を利用しての計算。結果は出たが、実際とはかなりの誤差が出る。それを大きいと見るかどうか?

不登校の生徒に向けてのメッセージとも思える数学者の夢を語る宙。知ってどうなるわけでもないことに、必死で食らいついて来た数学者たち。不可能なことだと知りながらも、満足しないで、未知のものを探求してやまない人たち。中学生の私たちには死ぬまでわからないかもしれないことはたくさんあるが、それでも知ろうとする。それに近づこうと努力する。人生の意味なんてわからなくて当然。わからないながらも手探りして生きていくことに面白さがある。