なかなか読ませる話だったが、結末部がよくわからない。
最初は十七世紀のチロル産の名器というバイオリンを、ロンドンのオークションで手に入れた男が登場し、ホテルの部屋でそれを鑑賞している場面から始まる。そこへ見知らぬ男が訪れ、譲ってほしいと言い出す。作家であり、そのバイオリンには数奇な物語があるという。彼がウィーンで出会った天才的な腕前の辻音楽師。その男から聞いた数奇な半生の物語が以下に語られる。
スロバニアとオーストリア国境に近いハンガリーの村で生まれた私生児の少年イエネー。父親は戦死した軍人だと聞かされ、形見の品が名器と思われるバイオリン。やがて肉屋の主と再婚して余裕ができた母親は彼に子供用のバイオリンを買い与える。独学でそれをマスターした天才少年イエネーは、ウィーンの名門校に入学。噂とは大違いのその学校のひどさ。刑務所並みの規律、技量をあげることより、互いの敵がい心をあおる教育、さらに技術力に劣るために演奏をしない教師たち。そんな中でもイエネーは互角の腕前の少年クーノと知り合い、友人となる。
休暇の時に出会った十歳年上の世界的な女流奏者ソフィーへの恋心。彼女の自殺騒ぎと失踪。
どうにか学校を出る頃にはナチスが台頭する時代。演奏家への道もなく、イエネーは誘われていたクーノの家を訪れる。インスブルックの貴族で城館に住むクーノ。はじめは学校時代の延長かと思われたが、やがてクーノの異常さに気づいていく。父親もイエネーに何か含むところがある様子。
父の形見だと思っていた名器のバイオリンは、実はクーノの父である貴族の持ち物で、戦場に携えた折りに盗まれたものだという。城を去るイエネー。
演奏活動を再開したソフィーの演奏会場に行き、会おうとしたが、彼女を非難するナチスに共鳴する群衆のために、面会できなかったイエネー。
そしてクーノの依頼だと言い、バイオリンを引き取りに来た警官。そのあとにナチスはオーストリアに侵攻し、戦争の時代となる。従軍したものの、生き延びたイエネーには、何も残っていなかった。ソフィーは強制収容所は生き延びたが、その後結核で死亡と聞いたイエネーは後を追う。
ならばこの話をしてくれた男はイエネー自身ではなかったのか?疑問に感じた作家はイエネーの故郷を訪ねると、戦後すぐに死亡し墓もある。彼が話を聞いたのは亡霊だったのか?
さらにクーノが分裂病で、クーノとイエネーの二重人格だったという診断書
最初は十七世紀のチロル産の名器というバイオリンを、ロンドンのオークションで手に入れた男が登場し、ホテルの部屋でそれを鑑賞している場面から始まる。そこへ見知らぬ男が訪れ、譲ってほしいと言い出す。作家であり、そのバイオリンには数奇な物語があるという。彼がウィーンで出会った天才的な腕前の辻音楽師。その男から聞いた数奇な半生の物語が以下に語られる。
スロバニアとオーストリア国境に近いハンガリーの村で生まれた私生児の少年イエネー。父親は戦死した軍人だと聞かされ、形見の品が名器と思われるバイオリン。やがて肉屋の主と再婚して余裕ができた母親は彼に子供用のバイオリンを買い与える。独学でそれをマスターした天才少年イエネーは、ウィーンの名門校に入学。噂とは大違いのその学校のひどさ。刑務所並みの規律、技量をあげることより、互いの敵がい心をあおる教育、さらに技術力に劣るために演奏をしない教師たち。そんな中でもイエネーは互角の腕前の少年クーノと知り合い、友人となる。
休暇の時に出会った十歳年上の世界的な女流奏者ソフィーへの恋心。彼女の自殺騒ぎと失踪。
どうにか学校を出る頃にはナチスが台頭する時代。演奏家への道もなく、イエネーは誘われていたクーノの家を訪れる。インスブルックの貴族で城館に住むクーノ。はじめは学校時代の延長かと思われたが、やがてクーノの異常さに気づいていく。父親もイエネーに何か含むところがある様子。
父の形見だと思っていた名器のバイオリンは、実はクーノの父である貴族の持ち物で、戦場に携えた折りに盗まれたものだという。城を去るイエネー。
演奏活動を再開したソフィーの演奏会場に行き、会おうとしたが、彼女を非難するナチスに共鳴する群衆のために、面会できなかったイエネー。
そしてクーノの依頼だと言い、バイオリンを引き取りに来た警官。そのあとにナチスはオーストリアに侵攻し、戦争の時代となる。従軍したものの、生き延びたイエネーには、何も残っていなかった。ソフィーは強制収容所は生き延びたが、その後結核で死亡と聞いたイエネーは後を追う。
ならばこの話をしてくれた男はイエネー自身ではなかったのか?疑問に感じた作家はイエネーの故郷を訪ねると、戦後すぐに死亡し墓もある。彼が話を聞いたのは亡霊だったのか?
さらにクーノが分裂病で、クーノとイエネーの二重人格だったという診断書