闇の戦いシリーズ第三巻。舞台はウェールズ。いにしえの光陣営の最後の古老となったウィルは、この度は仲間の助けもなく、単身、ウェールズの地に眠る金の琴を探し、それを奏でることにより、佳き湖に眠る民を目覚めさせる使命を果たす。
前回での冒険のためか肝炎を患い、体力をなくしたウィルを静養させるために、母親は彼女のいとこが住むウェールズへウィルをやる。

自分が古老であることも忘れたウィルだったが、体だけは健康になる。ジェンおばさんの農場には羊飼いのローランズが働いている。竪琴を弾くのも巧みな彼はケルト人ぽい魅力に満ちていた。教会でウィルは忘れていた言葉の断片を思い出す。カドヴァンの道、死者の日に、灰色王。

ローランズさんに聞いてみると、昔、聖地をめぐる巡礼の道があり、それがカドヴァンの道だと。山を一人散策するウィルは白犬と出会う。ウィルをどこかへ誘う様子。そして現れた少年。髪も肌も白いウェールズ人の少年。どこかで見かけたような少年が、詩に出てくる鴉の童子だと思い出す。ブラァンと名乗り、父と二人暮らしでウィルのおじさんに雇われているという。しかもウィルの正体も知っていると。犬はカーヴァルといい、その銀色の目が、ウィルがまじないにより忘れていたことを思い出させた。いにしえに古老のために作られた三連の詩の全文が頭に浮かぶ。一週間前に一人の魔法使いがやってきて、ウィルを手助けさせるために、ブラァンを見いだし、ウィルのことを教えた。ウィルの師たるメリマンだったろう。

二人は協力して、闇の力で山火事が起きた山を高く上り、詩にあるごとく、鳥の戸を開き古山を開く。供に銀目の犬をつれて。その先の秘密の空間にて、神のごとき三人より金の琴を得る。

彼らを阻止する暗闇の手先たる灰色王の狐。
カドヴァンの道をたどり、佳き湖に達する。灰色王にあやつられた隣人の邪魔にあらがいながらも、金の琴の調べにより、湖の中から眠りについていた騎馬の騎士団がやってくる。しかもブラァンの前で臣従を誓うように振る舞い、空の彼方に去る。
山から乳飲み子をつれてやってきて、三日で姿を消したブラァンの母。彼女こそ夫を裏切り、過去から現在に逃げてきた王妃。つまりブラァンは伝説のアーサー王の子であった。特別の戦闘もなく、あっさり灰色王が去る結末はあっさりしすぎていた。

闇との戦いシリーズはアーサー王の伝説を背景にした物語なんだと、今になって気づいた。最後はどうなるかな?