本編は昨夜読み終えたものの、改稿版の本書には書き下ろしの短編が付録されていて、それを今読み終えた。

瀬戸内海の絶海の孤島鳥杯島。瓢箪型の島の片側は断崖絶壁に囲まれた鵺敷神社となっていて、代々巫女が管理している。四代目の現在の巫女朱里が十数年ぶりに鳥人の儀式が行われると知り、シリーズの主人公である怪奇幻想作家刀城が訪れる。島の上には、神社の神の化身だと言われる凶鳥が舞っている。烏より大きな黒い影禿鷲。

先代の巫女、朱里の母親である朱音が、18年前に行った儀式では、行き場のない拝殿から彼女が姿を消し、同じ島にいた八人のうち七人も姿を消した。

今回の儀式に参加したのは奇しくも同じ八人。対岸の町の代表として四人の若者、神社の下男赤黒、許可を得て参加する民俗学を学ぶ女子大生、そして巫女の弟正声、刀城。

拝殿の入り口に陣取る刀城と正声に届く合図の鈴の異常な音。中に入ってみると、やはり巫女の姿はない。祭壇は荒らされ、折しも影禿鷲が一羽空に飛び立つ。血に濡れた人骨が散乱してる。邪教立川流を取り入れた儀式の道具か。

消えた巫女の行方を探す参加者たち。彼らもまた一人づつ姿が消えていく。

儀式の正体は何だったのか?巫女はどこへ消えたのか?船がでない盆の時、しかも夜に行われるのはなぜか?儀式自体は早ければ20分、そんな時間で姿を隠すことができるのか?初代の朱慧が失敗したときに、何に怯えたのか?医師に見せることなく死亡したのはなぜ?朱里が儀式のためにヨガに興味を見せたり、体調に気を付けながら太ったのはなぜ?髪を剃り、全裸で望んだと思われるが、それはなぜ?

下男と町の若者三人が消えたあとに、ようやく刀城は上記の疑問に答える解釈に行き着く。ありえないことではない、儀式の正体とは?

なかなか読まされる作品だったが、シリーズの他の作品も読みたいかどうかは微妙だな。シリーズ外の作品をもう一冊借りているし、古本で買ったものもある。それらを読んでから考えようか。

付録は都内郊外で戦後間もない事件を扱う。主人公はいまだ大学生。先輩に誘われ、天魔を祀る屋敷神に関わる事件を探索する。元庄屋の屋敷の裏に広がる竹やぶ。そこで天魔にさらわれたかのように、少年らが姿を消す。足跡が途中で消えている。最後には刀城が謎を解き、犯人も捕まるが、実況検分中に犯人が消える。本物の天魔のしわざか?