吉原裏同心シリーズ第22作。前作と前々作の二作にわたった吉原の創始者にまつわる危機を無事解決した幹次郎。今回はそれに比べたら悪党の粒も小さいが、不幸な生い立ちの盲目のあんまが見た夢が無惨に潰えるという、心情的には悲しい事件だった。
吉原のなかであんまをしていた孫市が、木枯らしが吹き荒れた夜、自宅に帰りつく寸前に何者かにより殺される。細身の刀で背中から心臓を突き刺され、路地に引き込まれて、なぜかむしろで覆われていた。死体に何かを被せて見えないようにするのは、顔見知りの犯行が多いという。
死体を改めた幹次郎はうつ伏せの体を起こした際に、鬢つけ油の匂いがした気がした。女か、髪を気にしてしょっちゅう油をつけているものが犯人か。
地味に暮らしながらも吉原内での稼業を何十年もしてきた孫市は結構金をためていたと噂され、金をいつも懐に持っているとも言われていた。それを狙われたのか?近くにある住まいもなぜか荒らされている。
調べを進めていくと、孫市が毎月舟で川向こうへ向かっていることが判明。亡き母親の墓参りをしていた。しかし、帰るまでいくらかの時間をどこかで過ごしていたようだが、女でも賭け事でもない。事件で命を落とした兄の代わりに会所で働き始めた哲二。うすぼんやりしていると思われていた彼は、孫市と話をしたことがあり、孫市が老後は駄菓子屋をすることを夢見ていたと聞いていた。
孫市がどこで時間を過ごしていたか?もしかすると、そこに隠した金があるのかも。幹次郎とともに川向こうへいった哲二は、孫市のささやかな夢を目当てに探索をして、ついに顔見知りの老女を見つける。昔、孫市の母に仕えていた老女を母と思い、二人で暮らすことを夢見て働いていた孫市。溜め込んだ金は売りに出ていた家を買い、老女に駄菓子屋をやらせるために使っていた。それを知らずに孫市の溜め込んだ金を狙い、殺人を起こした犯人。ささやかな夢を幻にした犯人を幹次郎は許せなかった。敵を追い詰めたとき、怒りで斬り捨てる。実は犯人は偶然、幹次郎とおいらんが暗がりで口をつけているのを目撃し、それをネタに幹次郎を脅した。愛妻を持つ幹次郎だが、武家の出で、不幸にも吉原に身を沈めたおいらんの幹次郎への密かな思い、夢を壊せなかった。それもあり、小物といってもよい犯人を斬り捨てて、おいらんを守り、孫市の無念を張らした。
いつもの幹次郎の剣さばきは出てこない話だったが、心に染みる話だった。
吉原のなかであんまをしていた孫市が、木枯らしが吹き荒れた夜、自宅に帰りつく寸前に何者かにより殺される。細身の刀で背中から心臓を突き刺され、路地に引き込まれて、なぜかむしろで覆われていた。死体に何かを被せて見えないようにするのは、顔見知りの犯行が多いという。
死体を改めた幹次郎はうつ伏せの体を起こした際に、鬢つけ油の匂いがした気がした。女か、髪を気にしてしょっちゅう油をつけているものが犯人か。
地味に暮らしながらも吉原内での稼業を何十年もしてきた孫市は結構金をためていたと噂され、金をいつも懐に持っているとも言われていた。それを狙われたのか?近くにある住まいもなぜか荒らされている。
調べを進めていくと、孫市が毎月舟で川向こうへ向かっていることが判明。亡き母親の墓参りをしていた。しかし、帰るまでいくらかの時間をどこかで過ごしていたようだが、女でも賭け事でもない。事件で命を落とした兄の代わりに会所で働き始めた哲二。うすぼんやりしていると思われていた彼は、孫市と話をしたことがあり、孫市が老後は駄菓子屋をすることを夢見ていたと聞いていた。
孫市がどこで時間を過ごしていたか?もしかすると、そこに隠した金があるのかも。幹次郎とともに川向こうへいった哲二は、孫市のささやかな夢を目当てに探索をして、ついに顔見知りの老女を見つける。昔、孫市の母に仕えていた老女を母と思い、二人で暮らすことを夢見て働いていた孫市。溜め込んだ金は売りに出ていた家を買い、老女に駄菓子屋をやらせるために使っていた。それを知らずに孫市の溜め込んだ金を狙い、殺人を起こした犯人。ささやかな夢を幻にした犯人を幹次郎は許せなかった。敵を追い詰めたとき、怒りで斬り捨てる。実は犯人は偶然、幹次郎とおいらんが暗がりで口をつけているのを目撃し、それをネタに幹次郎を脅した。愛妻を持つ幹次郎だが、武家の出で、不幸にも吉原に身を沈めたおいらんの幹次郎への密かな思い、夢を壊せなかった。それもあり、小物といってもよい犯人を斬り捨てて、おいらんを守り、孫市の無念を張らした。
いつもの幹次郎の剣さばきは出てこない話だったが、心に染みる話だった。