アメリカの女性作家による、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」のパロディ。

幼い娘をつれて村に来て、産婆としての力で村人に認められてきた魔女。同じような魔女だった母から受けついた癒しの技と腕。母が頼んで、とある学者に文字を習い、恋をして得た娘アーザ。美しいものが好きな娘にと、産婆で得た報酬は、生活に役に立つものよりは宝石などにしてしまい、近所のバーラにバカにされる。

産婆の能力への自信から、癒しの技を見せる魔術師になろうとしたものの、失敗し、魔女として火炙りの刑に遭う魔女。神に仕え、自尊心を失わないでいこうとしていた魔女だったが、かわいい娘だけでも助けてやるという悪魔の囁きには抗しえなかった。

娘は魔女ではないとして、火の中から助け出され、魔女は火とかげに変身して逃げ出す。自宅に溜め込んだ宝石を持ち、様々な動物に変身して遠くへ逃げ去った魔女。

彼女がたどり着いたのが魔法の森。九年を過ごした魔女は娘アーザの思い出も吹っ切れた。自給自足の生活をし、家を甘い菓子で飾り付ける。ピンクのハッカ・キャンディで外側を覆い、窓は明るい赤のキャラメルの庇、屋根にはピンクのゼリー・キャンディを並べる。食べたくても見るだけ。娘のアーザが見たら喜ぶだろう。

そんな魔女のお菓子の家に現れたのが、継母に追い出された姉グレーテル、弟ヘンゼルの姉弟。お菓子に夢中の二人を家に招き入れて、同居を始める。

悪魔退散の薬草、熱い鍋をつかむ鍋つかみの話題に戸惑う魔女。悪魔につけこまれないように寝ない魔女は、悪夢に苦しんでいると言い訳する。

いつしか親子のような気になった魔女は、二人のためにと隠しておいた宝石を取り出す。気づいた子供たちが、魔女よりも宝石に夢中になる様子に失望。忘れていた悪魔の囁きが聞こえてくる。魔女が愛されるわけがない。子供たちを食べてしまえと。グレーテルは宝石を売って生活資金にしたかっただけで、虚飾に目が眩んだのではなかった。魔女は悪魔の囁きに抵抗しながらも、ヘンゼルを鳥かごにいれてつるし、グレーテルに天火に火を起こさせる。利発な彼女が、悪魔の目をごまかす魔女の意図に気づくことを祈りながら。そして童話のように、魔女は天火に投げ込まれ、命を失う。

なんか魔女が哀れだな。