昼前に出掛けるつもりだったが、朝寝してる息子に言わせれば聞き間違いだという。待ち合わせは午後三時だから、二時の電車に乗れば間に合う。

それなら出ないわけにはいかない。隣町といっても、自宅前の道路を数百メートル東進した道路端のふとん屋。そこが地元の市議会議員宅。ここで来月の選挙に向けての事務所開き。九時半に行ってみると、神主の祈祷が始まったところ。受け付けに記帳し、屋内は一杯なので、外に立つ。祈祷が終わった頃に、雨がポツリポツリ。開所式は十時に外で行うと案内がある。ならばと一旦帰宅し、傘をもって折り返す。

校区各自治会の代表の決意表明や来賓の国会議員代理、県議や県議候補、市議会議員の先輩などの応援演説のあと、二期目を勝ち取ろうとする候補者の決意表明。雨は小降りになってきた。

帰宅後、一冊読み始めたものの、あまり楽しくない。それでもどんな終わり方になるのか気になって、拾い読みして最後まで。

なんかよくわからない。従来とは違う特異な天使像が描かれている。言ってることはまともで偉いもんだと思うものの、なんか現実味が感じられない。

昼過ぎ、妻と息子との三人で駅まで車を走らせ、駐車場へ入れる。名古屋についたもののまだ三十分あまり時間がある。かといって知らぬところを見て回るほどの時間もない。待ち合わせ場所は駅に建つ高層ビル。下の方にはデパートがあり、その上にホテル。十二階のホテルまでエレベーターに乗り、ホテルに入って、そこにあるエレベーターで、五十二階まで。展望ができる喫茶室。とはいえ雨で曇った空、隣のビルが再開発の工事中のためか、誰も外を見ようとはしていない。

早めに向かって、喫茶室前のエレベーターから降りたら、向かいのエレベーターから降りた夫婦に、息子が挨拶をしている。どうやらこれが今日の待ち合わせの相手らしい。別行動していた娘さんが来るのを待って中に入ると、順番待ちだという。

一時間あまり話し合う。息子が挨拶に行き、気に入られたか、結婚は認めてもらっている。ただそのまま結婚式では、けじめがつかない。昔ながらの結納までは求めないが、どこかで両家が会食し、結納として、婚約指輪としかるべき結納金を納めてほしいと。
大学時代のクラブ以来の付き合いの二人。あまりこじらせてはと、要請を受けることにする。情けないことに、私らには蓄えも用意もない。息子のボーナスを待って、ということで暑い八月ごろに結納をすることになる。