スペイン、バルセロナ出身の作家サフォンの『風の影』『天使のゲーム』に続く四部作の三作目。
『風の影』で主人公だった少年ダニエルは結婚し、一児の父親となり、父親と二人で書店を営む。店員であり、ダニエルの親友でもあるフェルミンは結婚間近なのに様子がおかしい。
物語はその原因となった内戦直後の彼の状況の告白談を挟んで進行する。
当時、彼は政治犯として投獄されていた。同じ牢獄に、二作目の作品を書いたとされる作家マルティンもいた。しかもマルティンはダニエルの亡き母親の親友。ダニエルがマルティンの子だという噂もあったとか。さらに囚人仲間のサルガドや監獄長のバルスも関わってくる。
結婚間近なフェルミンの前に現れたサルガドは、盗みとった大金を隠した場所の鍵の返還を、フェルミンの秘密と引き換えに要求。フェルミンは実は偽名。しかもその名の男はすでに死亡し戸籍がない。そのためその名前では結婚できないフェルミン。問い詰めるダニエルに、彼は過去の秘密を打ち明ける。
投獄されていたこと。亡き母の親友だったマルティンに脱獄を助けられ、彼の代わりにダニエル一家を見守ることを頼まれる。
それを聞いたダニエルは、知り合いの教授たちに頼みこみ、偽の戸籍を作り上げることで無事結婚式に持ち込む。
病死だと思われていた母親が実は監獄長バルスに毒殺されたらしいと知り、憎しみを燃え上がらせるダニエル。バルスは才能のない作家だったが、婚家の力で独裁政権へ近づき監獄長になる。高名な作家を利用して自分の作品を出そうとしていた。マルティンがフェルミンの脱獄を手助けしたことを知ったバルスは、死んだと思われた彼の代わりにダニエルの母親を毒殺した。
内戦後独裁政権のもとで立身して文化大臣まで勤めたバルスへの憎しみをつのらせるダニエル。フェルミンらの説得により忘れようとしながらも、ダニエルはラスト近くで今は表舞台から退いたバルスの居所を知り、何かを決意したらしい。その顛末は最後の四作目で明らかになるのだろうか。
内戦とその後の独裁政権でのスペインでは多くの普通の人々が喪失や悲劇を経験した。それでも生きていかなければならないため、沈黙を貫いた人々。
二作目はまだ読んでいなかったのだが、読んでみたくなった。
ラスト近く、式直前のフェルミンはダニエルに連れられて、「忘れられた本の墓場」に足を踏み入れる。老いた番人イサックの後継にフェルミンがなるのか。次作も読みたいな
『風の影』で主人公だった少年ダニエルは結婚し、一児の父親となり、父親と二人で書店を営む。店員であり、ダニエルの親友でもあるフェルミンは結婚間近なのに様子がおかしい。
物語はその原因となった内戦直後の彼の状況の告白談を挟んで進行する。
当時、彼は政治犯として投獄されていた。同じ牢獄に、二作目の作品を書いたとされる作家マルティンもいた。しかもマルティンはダニエルの亡き母親の親友。ダニエルがマルティンの子だという噂もあったとか。さらに囚人仲間のサルガドや監獄長のバルスも関わってくる。
結婚間近なフェルミンの前に現れたサルガドは、盗みとった大金を隠した場所の鍵の返還を、フェルミンの秘密と引き換えに要求。フェルミンは実は偽名。しかもその名の男はすでに死亡し戸籍がない。そのためその名前では結婚できないフェルミン。問い詰めるダニエルに、彼は過去の秘密を打ち明ける。
投獄されていたこと。亡き母の親友だったマルティンに脱獄を助けられ、彼の代わりにダニエル一家を見守ることを頼まれる。
それを聞いたダニエルは、知り合いの教授たちに頼みこみ、偽の戸籍を作り上げることで無事結婚式に持ち込む。
病死だと思われていた母親が実は監獄長バルスに毒殺されたらしいと知り、憎しみを燃え上がらせるダニエル。バルスは才能のない作家だったが、婚家の力で独裁政権へ近づき監獄長になる。高名な作家を利用して自分の作品を出そうとしていた。マルティンがフェルミンの脱獄を手助けしたことを知ったバルスは、死んだと思われた彼の代わりにダニエルの母親を毒殺した。
内戦後独裁政権のもとで立身して文化大臣まで勤めたバルスへの憎しみをつのらせるダニエル。フェルミンらの説得により忘れようとしながらも、ダニエルはラスト近くで今は表舞台から退いたバルスの居所を知り、何かを決意したらしい。その顛末は最後の四作目で明らかになるのだろうか。
内戦とその後の独裁政権でのスペインでは多くの普通の人々が喪失や悲劇を経験した。それでも生きていかなければならないため、沈黙を貫いた人々。
二作目はまだ読んでいなかったのだが、読んでみたくなった。
ラスト近く、式直前のフェルミンはダニエルに連れられて、「忘れられた本の墓場」に足を踏み入れる。老いた番人イサックの後継にフェルミンがなるのか。次作も読みたいな