不思議な印象の物語。半ばまではそれほど奇妙でもない。

孤児院ホワイトゲートで暮らす子供たち。どの子も不幸な生い立ちをもち、将来を考えると、人一倍がんばらないと不幸になる。院長のモーリーンはそう考えて、独りよがりな教育方針をもって望む。一見自由な雰囲気で、閉じ込められてはいないから、逃げ出したことのないものはいないが、最後には行き先がないために戻ってくる。

生まれてすぐ病院の玄関に置き去りにされた少年ジャニュアリーは新たな冒険を考えている。廃屋で見つけたドアを繋げて筏にし、川を下ろうと。

シルグルの母を十歳で病気で失ったエリンは母と暮らした日々がパラダイス。母を批判的に見るモーリーンに逆らっている。

母の死後、父に見捨てられたマウスはペットのネズミだけが友達。
ジャニュアリーとエリンの冒険にマウスが飛び入りして、筏の川下りが始まる。窓枠で作った櫂は役だたず、ただ川に流されるまま。夜になって泥沼に座礁し、ようやく岸に這い上がったら、幼い少女に声をかけられる。手に水掻きをもち、人懐こい。ヘブンアイズと名乗る。グランパのところにおいでと。

案内されたのは、無人で廃墟になった川岸に広がる港や工場倉庫街。グランパは警備員で管理人だと言うが。物忘れがひどくて、たえずノートに書き付けている。はじめは二人の生活を損なうものとして、無愛想で喧嘩腰だったが、ヘブンアイズが喜ぶので、三人の滞在を認める。

幽霊と呼ぶ外界の人を警戒して見回りをし、月夜には泥沼を掘って宝探しをする。川を流されてきて埋まったがらくたばかり。

ヘブンアイズも泥沼で発見されたらしい。倉庫にはチョコなどの食料も残っていて、食うには困らない。

土堀りが趣味のマウスはグランパの助手になり、死体を見つける。グランパが殺人者だと対決し逃げ出そうとしたジャニュアリーだが、ヘブンアイズが気になるエリンがついていかないのであきらめる。グランパの隠していたヘブンアイズの生い立ちがわかる写真などを見つける。先のないグランパはヘブンアイズを彼らに託せると思い安心したか、息を引き取る。

折しも倉庫の廃墟を取り壊し、新たな町を作ろうと、クレーンが来たため、ジャニュアリーたちはホワイトゲートに戻ることにする。
いつか迎えに来ると夢見ていた母がジャニュアリーを引き取り、ヘブンアイズはエリンらとホワイトゲートで暮らす。モーリーンも態度が変わってる。