騎士が活躍する時代、世界で、騎士見習いの少年が偶然、隣国の王への密書を届けることになる。それを妨害しようとする者の目を避け、見知らぬ土地を旅する冒険記。

大山脈が国境となる東西二つの国、東のダナホウト王国と、西のウナーヴェン王国。二つの国の南端に流れる灰色の川の南にはエヴィラン国がある。

一年間騎士の楯持ちを勤め、明日にはダナホウト国王から騎士に叙任される見習い騎士ティウリ。叙任前夜は候補者は最後の試練として、礼拝堂に籠り、断食し、無言で祈りを捧げ、夜明けを待たねばならない。五人の者と籠っていたティウリは、助けを求める声を聞き、締め切ったドアを開け、言葉を出してしまう。しかも頼まれて、密書を郊外の宿屋にいる白い楯の騎士に届けることを引き受けてしまう。

行ってみると、目当ての騎士は赤い楯の騎士団に騙し討ちに遭い、瀕死の状態。彼の代わりに隣国の王のもとに密書を届けることを頼まれてしまう。

上巻では国境の山脈までの旅が、下巻では隣国に入り、西部にある王宮までの旅と、その後が描かれる。

知らずに他人の馬にのり、馬泥棒に間違えられたり、自分を付け狙う赤い楯の騎士たち、さらには灰色の騎士たちにまで追われる。森で追い剥ぎにあったり、修道院の世話になったり。そして殺されたのが隣国の高名な騎士であり、その友人たちが灰色の騎士で、敵と間違えてティウリが追われたことが明らかになる。国境山脈の奥に住む高名な隠者の世話で、無事山脈を越える。隠者のもとにいた道案内の少年が以後の道連れになる。見知らぬ隣国でも、敵に内通する市長に捕まえられたり、渡河税金が払えず川を渡るのに苦労したりすると共に、助けてくれる市民や騎士と知り合いになったり、騎士としての生き方の実地訓練をするような旅だった。

無事任務を果たしたティウリは、国王に歓待され、自分の国王への親書の使いになる。ティウリは一回り大きくなり、帰国して騎士に叙任される。しかも隣国の国王にも騎士として臣従することになり、白い楯と立派な剣を渡される。

南のエヴィラン国の王はウナーヴェン国の皇太子の双子の弟。その悪巧みを知らせた密書により、戦いが始まる様子。続編ではそれが語られるのではないか。早く続きを読んでみたい。