昨夜、最後まで一気に読んでしまった。気がついたら深夜2時。
よかった、主人公たちが無事だった。新たな二人の生活がはじまる。

時代は十一世紀から十二世紀にまたがる。当時南部にはサクソン人、中部にはヴァイキングの子孫が、北部にはスコット人が住んでいたイギリスに、フランスのノルマンから最後の侵略者がやってきた。ノルマンももとはヴァイキングが定住した一族。
征服王と呼ばれたウィリアム一世により、イングランドの大部分は征服され支配されて、イギリス王朝がはじまる。

しかし、その支配下におさまらず、自分達の自由を守り通した一族がいる。湖水地方として、自然が豊かな観光地になっているイギリス中部の西側の地域。山々がそびえ、それに守られるように谷間に住む人々。湖がいくつもあり、沼地もある。ウィリアム一世は二度この地を襲ったが、大軍の移動に苦労し、ゲリラ的な反撃に遭い、支配できなかった。現地代官による度重なる侵略にも二十年にわたり抵抗してきた。

そんな谷間の砦で、ノルマン人により親を亡くした二人の少年少女が出会い、運命が結ばれる。もとは散在して住んでいた一族は最後の砦とも言える族長の館に集まっている。

王位を受け継いだウィリアム二世による大規模な掃討が始まろうとしている時代を生きた二人は、嫌でもそれに巻き込まれ、生きるために戦わなければならない。

養父である竪琴弾きの名人ハイトシンに素質を認められ、その名器スイートシンガーに魅せられたビョルン。少女ながら少年のように老戦士アリの名剣ウェーブフレイムに魅せられるフライサ。二人は一族の中で成長し、やがて戦闘に参加するようになる。

イングランド王の圧倒的な軍隊に立ち向かうために、機略をこね、地形をいかした配置で、大軍の侵入を拒んできた一族だが、戦闘のたびに戦士を失い、支配地を奪われ、婦人や少年少女まで参加して、ついに最後の決戦を迎える。

ビョルンとフライサが敵軍に紛れ込み、敵の情報を探るも、正体がばれてあわやというときに、味方の攻撃により窮地を脱する。

最後の砦とも言える族長の館に迫る敵を、前から用意してあった行き止まりの道に導き、袋のネズミにしての殺掠。それにより大軍を敗走させ勝利を得る。
犠牲も大きいが、なんとか一族の自由を守り通し、生き残ったものは自分の家に戻る。二人の主人公は新たな生活を始める。

最後が滅びの歌でなくてよかった。