アーサー王伝説に埋もれている真実のアーサー王を描いた歴史文学。

サクソン人らの襲来に苦悩するブリテン人。頼みのローマ帝国もゴート人らの侵略のため、イギリスから手を引いた後、残されたブリテン人。ローマ軍の将軍であった皇帝を祖に持つブリテン人アンブロシウス王が南部の国を死守していた頃、その甥であるアルトスは騎馬軍団の将軍として、イギリス各地の沿岸部にてサクソン人を追い払っていた。そしてサクソン人、ピクト人、スコット人らの連合軍を、半数の手勢で、見事撃破。王のもとに戻ったアルトスが、上巻に描かれていたが。
下巻ではアルトスの、アーサー王の死までの苦悩と悲劇が描かれる。上巻において不義を働き、種は蒔かれた。知らぬ間にとはいえ、腹違いの姉と交わり、息子ができる。成人して、騎馬軍団に迎え入れたものの、母親から憎しみしか植え付けられていなかった息子メドラウトは、最後の決戦時に裏切り、敵と手を結び、アルトスとの決闘で相討ちとなる。アルトスはわずかな時間生きながら得たものの死を迎える。

アンブロシウス王の死後、蛮族たちの攻勢に立ち向かうために、出陣したアルトスは、敵を完膚なきまでに破ったものの、イギリスから追い出すことはできず、海岸部にサクソン人を残す協定を結ぶ。私生児であるためにアンブロシウスんの跡を継ぐのに不安があったアルトスだが、将軍として圧倒的な勝利を得て、皇帝に祭り上げられ、王となる。

王妃と長年の親友で同士であったベドウィルの不貞を、息子メドラウトに指摘されたことから、二人を追放。そのために、王妃の弟を頭とする騎馬軍団の一部が共に去り、騎馬軍団に陰りが見える。

先の決戦で捕まえた宿敵ケルディックを殺さずに国外退去させたが、そのケルディックが仲間のサクソン人を率い、海岸部に侵入。折しも病のアルトスは迅速に対応できない上、息子メドラウトも敵陣営に入る。

各地に散る軍団に召集をかけるものの間に合いそうにない。死を堵して決戦を迎えるアルトスに、追放したベドウィルが単身戻る。長年ともに戦ってきた仲間をほぼすべて失いながらも、どうにか相討ちに持ち込み、敵を撤退させる。しかしアルトス自身は息子との一騎討ちで瀕死の重症を負う。
跡継ぎとして一族のコンスタンティンを指名して、落命する。

結局、アルトスは母親からケルトの血を受け継ぎながら、ローマ軍人として生き、死んだ。サクソン人との混血によりイギリス人が生まれたのだろう。