久しぶりの道尾作品。最後まで読んでなんとか落ち着いたが、悪くはないが、なんかやはりこの手の話はもうあまり読みたくないかな。

腕のいい家具職人だった主人公、東口は今はホームレスの家具修繕人。トラックに道具やビデオを積み込み、依頼のあった客に向かい、空き地で修理していた。が今は偶然知り合ったスクラップ置き場に住むホームレスたちと暮らしている。そばにアパートを持つ橋本の一室を共同の部屋に借りて、トイレや風呂に入り、公共機関へ知らせる住所にしてる。
そんな東口のもとへある日弟子入り希望の女性が来る。やぼったい眼鏡をかけて、ちんばをひいている。昔家出したきりで行く先もない、海外を放浪していたと言う話は怪しいと思いながら、いつか一緒に仕事をするように。

東口は幼い息子を川で亡くし、妻に去られた上、一番の得意先の倒産の煽りで、会社を潰していた。最近はトラックの荷台で息子の映ったビデオを無音にしてしょっちゅう見ている。

別れた妻が倒産した得意先社長と優雅に暮らし、息子までいると知り、その男を殺そうと劇薬を持ち出したものの、不手際で自分で飲むことになり、自殺未遂として秘密に処理された。

なぜか他人には見えない疫病神が彼のそばにはいるように書かれていたが、実際は妻やその男を勝手に疫病神扱いしていただけのようだ。人は世間を生きるのに誰も仮面を被っている。タイトルのハーレキンは仮面を被った道化師。

彼の腕を見込んである日注文が舞い込む。目隠しされて連れ去られるのを不審に思ったホームレスの仲間と奈々恵がこっそり荷台に潜んだ。連れていかれたのは北関東の豪壮な屋敷。天井までの大きな年代物の戸棚。猫の彫り物が一杯。金に糸目はつけないから、泊まりがけで修繕してもらいたいと。見つかった奈々恵たちも手伝い、1ヶ月ほどで完成。すると勝手について来た連中の身元調べの結果、奈々恵の父親が警察の幹部だとわかり、全員殺されると漏れ聞いた東口は必死に脱出を試み、成功。秘密を守れば自由にし報酬も払うと連絡がある。

心機一転、住みかも変えてやりなおすことにする東口。仕事にかまけて息子を放置していたのは東口だった。疫病神は彼自身だった。自分の正体を打ち明け出直す東口と奈々恵。
なんか中途半端な印象で手放しでよかったとはいえない。どのみちこの手の話は楽しくないな