シリーズ最後の第六巻。シリーズの舞台となったグリーン・ノウとその周辺。その始まりが描かれる。

時代は十二世紀始め、ノルマン人の伯爵に仕え、その娘を妻にしたサクソン人領主オズボンドは、世の混乱を予想し、新たな館を城のように堅固な石造りの館をたてようとしている。主人公はその次男で十一歳のロジャー。長男が将来、母方のノルマン領を継ぐために、ロジャーがこの地を継ぐ。仕事らしい仕事もないロジャーは、建築現場に入り浸りで、出来上がりつつある館を見たり、職人と話したり、時には愛犬をつれて、周辺の領地を歩き回っている。だからどこにどんな動物がいてどんな鳥が見られるかに詳しい。

そんなロジャーが犬を追って丘の上のイバラを切り開いたら、二つの石の椅子が現れる。背持たれには男女の顔が掘られている。小柄なため小さい方の椅子に腰掛け、見下ろすと領地のすべてが見渡せる。建築中の白い館も見える。いつまでもあの姿が残ればいいな。将来館はどうなっているか知りたいな?手近のタンポポの綿毛を吹き飛ばして残った数から、五百四十年後のマナー館を見たいなと願う。

気がつくと、ロジャーは願った時代にいた。そして当時の館の子供トビーとリネットに出会い、話をするがわずかな時間しかいられなかった。

ついてさらに先の時代に飛び、盲目の少女スーザンと黒人少年ジェイコブに出会う。

そして今度は時代を遡ると、ロジャーの父方の先祖のサクソン人がイギリスを襲撃してる悲惨な光景を見る。

さらに現代のトーリーが残っていたお石さまにマナー館に最初に住んだ少年に会いたいという願いをして、ロジャーの前に現れる。

トーリーにまた会いたいと思ったロジャーは、現代に飛び、周囲の景観の変わりように驚くが、マナー館がちゃんと残っていることに安心する。入り口を入るとおばあさんがいた。おばあさんにはトーリーによく似たノルマン人の風貌に驚かない。トーリーのいる庭へいくと、なんと別の時代で出会ったマナー館の子供たちが揃っている。しかもおばあさんまでが少女になって現れる。

不思議な館には様々な時代の子供たちが今も生きている。彼らのためにもこの屋敷は残さなくては。

ロジャーが再度現代に飛んだとき、悲しい光景を見る。石像が博物館で保存されるために撤去する現場だった。トーリーはもう過去に行けなくなるのか。でもロジャーは来られる。いつでもまた会える。