人間のパパとキツネのママから生まれた三兄弟が活躍するシノダシリーズ八作目。

パパの父親が骨折して入院という知らせでパパとママが出掛けて留守の日。マンション前の公園から末っ子のモエが怪しい男に抱えられていくのを見たユイとタクミは裏山で追い付く。なんとママの兄でトラブルメーカーの夜叉丸おじさんだ。モエが必要だから少し借りるというだけのおじさんともめてるうちに、見知らぬ森にいた。キツネ族の時空を通り抜ける通路により、たどり着いたのは京都伏見稲荷の隣の山。

事情を聞くと、都ギツネの長老に宝探しを頼まれたが、それにはモエの力が必要だと。人間とキツネのハーフである三人には不思議な力がある。風の耳と、時の目、魂よせの口。
昔、都キツネが人間の娘に恋して、宝を持ち出してプレゼント。駆け落ちしようとしたが、男は待ち伏せを受け、正体がばれてなくなった。以降、亡くなった男の弟は剣を包み込んでる様子を見たことから宝はその刀だと伝えられてきた。

娘はその剣を馴染みの寺に奉納したが、後に寺はなくなり宝のありかも不明。寺にあった長寿の杉の樹。願えば叶えると言われるその樹ならありかを知っているかもしれない。樹の言葉をモエに伝えてもらおうとおじさんは考えた。

おじさんが祈り願い、モエが聞き取った杉の樹の言葉は暗号のような文字が並ぶ。なんとか読みといたら、三つの謎を解いて、それをヒントに正しいものが正しい質問をしたら、答えると。

都ギツネのじいさんがどこでも行けるようにと人間には見えない案内人小狐丸をつけてくれ、三人は謎解きのために京都の町をかけまわる。

そして伝説には間違いがあり、真の宝は別のものだと気づいたとき、それを狙う京都の魑魅魍魎に襲われる。

謎を解き、宝の正体を知ったとき、伝説の悲恋の真実が明らかになる。杉の樹はそれを明らかにしようとして、人間でもなくキツネでもない三兄弟を呼び寄せたのだろう。

宝はなんと身近に埋もれていた。昔の悲恋の真実がわかり、同じように人間とキツネでありながら結婚し、自分達を生み育ててくれた両親に対する感謝の気持ちがわきあがるユイ。

今回も謎解きなどなかなか楽しかった。いつもはだらしない夜叉丸おじさんも少しは見直した。次回はどんな冒険が待っているのかな?読んだばかりで次を期待してしまう