やっと最後までたどり着いた。つまらなかったわけではないが、読みやすいのに、なんか錯綜していて、どう展開してるのかわかりづらい。

地方都市に住み、市役所勤務の冴えない父親が、村長選に出馬。隣にある山に囲まれた辺鄙な山村こよみ村。村を専断していた村長だった祖父が亡くなり、あとを継ぐことに。それは決まっていることだと、意味不明なことを言う父。

村には秘密の書、予言暦があり、未来のことがすべて予言されていて、村はそれに従って行われてきた。

しかしバイパス道路を作り、隣の市と合併させようとする対抗馬の十文字もあなどれない。父の当選などあり得ないと思って冗談半分でその男とした賭けにより、中学二年の奈央は父育雄の当選と共に村に移住し転校することになる。

村にはかつてのアイドル歌手溝江アンナが息子と移住していて、スローフードを推奨している。

村に住み着いた奈央は奇妙な体験をしたり、事件に出くわす。予言暦の探索にも紆余曲折。伝説めいた予言暦は亡き祖父が信頼できるものに預けたというメモが見つかるが、行方不明。それを見ることができるものは誰なのか?

村八分と言われ、雑用しかできないが頼りにされるイケメンの松浦、奥さんに逃げられ毎夜村を探し歩くよろず屋の主、個性的な村人に翻弄される奈央。

幻想的で、少しホラーぽく、謎解きでもある。不思議な味わいの作品。巻末解説の作家沢村さんによれば、それが堀川ワールドなんだろう。以前読んだ幻想シリーズに比べたら、暗いイメージもあるが、でも奈央には暗さがない。

予言暦を盗もうとした占い師は記憶を消され、ジャーナリストは襲われる。アンナさんは毒草の混じった薬草をのみ死にかける。最後には村長である父まで襲われたが、それによって事件の全貌が明らかになる。

明治時代に催眠術に魅了され、大学を追われた博士が、村の有力者奈央の曾祖父に村で庇護された。陸の孤島のような村は、実験に最適と周辺市町村から分離した。その博士の弟子である松浦の曾祖父は以来、村特有の村八分になる。村はずれに住み雑用のみをして、村人に感謝はされても馬鹿にされる地位に甘んじてきた。イケメンで頭脳も優秀な松浦が、催眠術を利用して画策した事件だった。

資産家の対抗馬である十文字が魔除けだといって、奈央に教えた催眠術にかからない呪文が、ダルマサンガコロンダと一心に唱えること。思わず私も唱えたくなる。