シリーズ三冊目。とはいえイギリスの田舎にある古いマナーハウスを舞台にした話という共通点はあるが、続き物ではないかな。

前二作では、再婚した父親がビルマにいるため、イギリスで寄宿学校にいる少年が、夏休みと冬休みを、親戚のおばあさんが住むグリーン・ノウの屋敷で過ごした様子を描いていた。同じ年頃の子供もいないし、何もない田舎だったが、同じ屋敷に昔住んでいた一族の子供たちが現れて、一緒に遊んだり冒険したりする様子を描いていた。

今作では馴染みのおばあさんも少年もいない。すでにおばあさんは死んだのかと思っていたが、巻末の訳者の解説によれば、おばあさんは旅に出ているらしい。住む人もいない屋敷を貸し出していて、その夏、考古学者のおばさんビギン博士と、料理人のミス・シビラの二人が借りている。博士は何万年も前には巨人がいたと考える一派。たくさんの本などを持ち込んで研究してる。二人だけで住むには広すぎると、難民の子供を呼んで、一夏過ごさせようと思い付く。相手役に親戚の小柄な少女アイダも呼ぶ。招待された少年は、ポーランド難民のオスカーと中国難民ピン。同い年の三人はすぐに友達になり、屋根裏の部屋に泊まることになる。屋敷は穏やかな川のほとりにあり、周囲には支流が多く、土地が島のように浮いている。庭の一角のボート小屋にあったカヌーに乗り、毎日川を冒険しては島に名前をつけ、地図を作る。川遊びとか冒険だけの話かと思っていたら、不思議なものが次々に現れてくる。迷子の白鳥の子、人気のない島で暮らす男あたりはありうるが、羽を持つ馬とか、ネズミの巣作りを真似てたオスカーが小人になったり、風車小屋に隠れ住む巨人、幽霊、月に向かい踊る獣の皮を被る男たちなど、夢か幻のようなものが登場する。リアルでなくて、ファンタジーかな。

嵐の日に流されて遠くの地に行った子供たちは遭難かと誤解され保護される。でも博士は自分の研究ばかりで、気にしてないと思っていたら、叱ることもなく、冒険行を励ましてくれる。

夏休みが終わる頃、サーカスの道化師になりたいと言っていた巨人の出るサーカスが近くに来たと知り、巨人の存在を信じる博士に実物を見せようとサーカスへカヌーで出掛ける。調査旅行でカヌーに慣れてる博士を知る。サーカスの巨人を見ても博士は作り物だと思い込んでいて、驚かなかった。大人って、しようがないなとあきれる子供たち。

訳者はハックルベリーを連想してるが、私はモグラを。