東京北千住の洋館と日本家屋の自宅で喫茶店を営む大、四十路で独身。彼が主人公の作品はこれが三作目。

一作目は『モーニング』。大の学生時代1980年代を回想する形で物語られる。親友の葬儀に昔のバンド仲間と集まった帰り、友人の一人が自殺すると言い出し、昔の回想からある過去の事実が浮かび上がる。

二作目は『コーヒーブルース』。1990年代三十路の喫茶店店主大は恋人の薬物中毒の件で警察に捕まる。疑いは晴れたが、近所の中学生女子の失踪事件にかかわり、さらに恋人を死に追いやった男の出所などもあり、事件が解決する間に、大は友達が増える。

そして三作目の今回は、それから9年。前の作で救い出された中学生も今は女子大生。密かに大に恋してる。その彼女が親友が行方不明だと相談に来る。しかも前の事件で知り合い、今は大の両親が住んでいた日本家屋に間借りしてる刑事さんが行方不明になり、大宛に奇妙なメールが来る。謎解きのために動き出す大とその友人たち。行方知れずの女子大生の父親は小さな暴力団の組長で、しかも高校時代から刑事と親友だったことが明かになる。しかも女子大生の別れた恋人が合成薬品の売人をしていて、それを狙う暴力団もある。

最初は何がなんだかわからない錯綜状態だったが、少しづつ関係者のことを調べていき、明らかになるのは友情が絡んだ原因。

なんとか錯綜とした糸をもとに戻すことができて、決着がつく。

ミステリーと言えばいい展開だが、これもまた関係者たちの人物像が魅力的だな。そして彼らの間の友情とか思いやる心が、ほっとさせる。覚醒剤などの薬物とか、暴力団が関わってくる、こうした現実的な犯罪を描いた話は正直、あまり読みたくなくなったが。でもこれはあまりそうしたことが前面に出てないのがいい。

二作目は以前読んだ記憶はあるが、内容は覚えてないし、一作目は古本文庫で買ったものの、未だに読んでない。でもそのうち、ということは、いつになるか不明なんだが、読んでみようか。

ぎりぎり返却日前日に二冊を読めた。やればできるんだよ、私も。