昨夜読了。読み始めたら一気にだな。
東京バンドワゴンシリーズ第九作目。

東京下町に明治の世からある古本屋。当時の文豪坪内逍優遥が名付け親だというハイカラな店名。

現在の店主は三代目の勘一83歳。六年前に他界したその妻サチの幽霊がナレーターをつとめて、大家族の周辺で起こる日常の謎的な出来事と、その解決を暖かな筆致で描いている。悪人が登場しない、非現実的だが、心暖まる話に、癒される。

最初に始まったときには八人家族だったが、現在は十二人かな。店主の一人息子が伝説のロッカー我南人。その子が長女藍子、長男紺、次男青。それぞれに今は配偶者がおり、子供が合わせて四人。

今回は秋から夏へと、四つの話が語られる。店主の二人の孫息子の娘が共に三歳でいとこ同士だが、同居してるのでまるで姉妹のようにつるんでいる。朝父親や年上のいとこのベッドに飛び乗って起こしたり、隣の喫茶店で客に挨拶したり。朝食時の家族の場所決めしたり。なんかほほえましい。シリーズを重ねるごとにみな年を取り成長していくのも、長年の読者には楽しみだ。

店主孫娘の高校の後輩で、町内で小料理屋をしてる真奈美さんには赤ん坊がいるが、店を娘に引きついだ母親がガンで余命わずかとわかる。
古本屋に出入りして、いつしか家族の友になった若き社長藤島さん。その家族や生い立ちは触れられてなかったが、今回それが明らかになる。我南人のファンの雑誌記者木島の後輩女性が店の秘密にせまりかけて、なんとか逆手にとって解決。さらに木島と結婚させてしまう。離婚経験ある木島の娘も登場。

いろいろあって、それでも店も家族も震動はしても、安泰。ほっとさせる。

やはり好きだな、このシリーズは。次は何が出てくるのか?期待してしまう