古代のイギリス、ローマ帝国支配下のイギリスを描いたサトクリフのローマン・ブリテン四部作の第二作目。

主人公は従兄弟同士の二人の若者。軍人の家系ながら病弱のために軍医となったジャスティスが新たな赴任先のブリテンに到着したところから始まる。ブリテンは祖父のいた地だが、彼にははじめての地。最初に声をかけてきた百人隊長フラビウスと話し込んで、二人が従兄弟同士だとわかり、以後二人は共に行動し、友達にもなる。
ローマ帝国の軍人からついにはローマ皇帝と名乗るまで登り詰めたカロウシウス。彼につかえることに喜ぶ二人は、やがて皇帝の右腕であるアレクトスが、異国のサクソン人と通じていることに気づき、皇帝に直訴したものの、北の辺境に移動させられる。自分達の思いが通じないのを嘆いた二人だったが、のちに皇帝の手紙により、命を救うために移動させた真意を知る。

やがて本性を剥き出したアレクトスは皇帝を暗殺し、サクソン人等の傭兵を率いて、皇帝を名乗る。そんな男に愛想をつかしたり、反逆した様々な男たち。二人して軍を逃げ出したフラビウスとジャスティスはいつか、そんなゲリラ部隊を率いる隊長になっていた。そしてフラビウスのおばさんの屋敷の床下から見つかった変わり果てたローマ軍団の象徴であるワシ像。これこそ二人の祖父が、第一作の『第九軍団のワシ』で発見し取り戻したもの。折しも帝国西半分の皇帝になった若きコンスタンティウスが、帝国を離脱したブリテンを元に戻すべく、軍船を引き連れてブリテンにやってくる。

東西に分かれてブリテン島に上陸する帝国軍の西部軍団に、フラビウスらは合流する。東部軍団が上陸にもたつくのを好機に、アレクトスは全軍を率いて、西部軍団に立ち向かう。決戦の地カレバ近くの野。烏合の衆の傭兵はやがて逃げだし、近くの町カレバに入り込み乱暴狼藉を働く。それを迎え討とうと、フラビウスの率いる軍団は、カレバで奮戦するも苦戦。ローマ軍の応援を受けて辛くも生き延びる。東から来た皇帝が率いる軍団が裏切り者アレクトスを破り捕まえて、一息。皇帝に請われて、二人はさらに北部ブリテン平定のために進軍するローマ軍に加わる。

この後、一時的ながらローマ支配が戻ることになるらしい。サトクリフの歴史小説は、単に事件や戦争を描くのではなく、そこに生きた歴史上では無名の者がいかに生き、いかに対処したかを描いていて、あれこれ考えさせられる。