グリーン・ノウシリーズ二冊目。著者ボストンさんが実際に住んでいたマナーハウスと呼ばれる領主館。そんな石造りの屋敷を舞台にして、かつて住んだ人々、特に子供たちを描いた作品。現代と過去が交差し、子供たちが時間の枠を越えて交流するファンタジーぽいが、懐かしく静かな世界が細やかに描かれていて、その世界が鮮やかに目の前に広がる。それでいて登場人物がみな善人というわけでもなく、実際にあるような様々な人物が登場する。

再婚した両親が遠く、東南アジアのミャンマーに住む七歳のトーリーが、冬休みを過ごすために、ひいおばあさんが住むグリーン・ノウの屋敷を訪れて、三百年前の一族の子供たちと過ごしたのが、第一作だった。

第二作の今回は、春休みをトーリーはグリーン・ノウで過ごす。以前知り合った仲間に会えるのを楽しみに来たのだが。彼らは居間の暖炉の上にかかった絵の中に描かれていた昔の一族だった。それがない。おばあさんが言うには、古い絵だということで、頼まれて展覧会へ貸し出しているという。しかも収入がないおばあさんは屋敷を維持するために売るかもしれないという。代わりに飾られた絵には、馬車で帰宅するおしゃれな女性が描かれている。百五十年前、イギリス海軍の船長だった屋敷の主の奥さん。今作で登場するのはその船長一家のようだ。そしてその絵の時に、奥さんは貴重な宝石類を盗まれたか紛失したという。今それがあれば、おばあさんも屋敷も助かるのだが。

キルトのバッチワークを楽しみにしてるおばあさん。そこに縫い込まれているのは、かつての一家の人々が使っていたものの切れはし。それを指摘しながらトーリーにその人たちの昔話をしてくれる。
家を空けていることの多い船長。おしゃれに夢中な奥さんマリア。甘やかされて育った不良の息子セフトン。生まれつき盲目の娘スーザン。

のちに赴任先から船長が連れ帰り、娘の遊び相手にした黒人の奴隷の少年ジェイコブ。厳しい祖母、娘を構わない母、意地悪な兄、スーザンのためといって何もさせない乳母に囲まれ、痩せ細ったスーザンは遊び相手を得て生き返り、庭で遊び、木登りさえできるようになる。近所に住む父の友達の息子ジョナサンがスーザンに字を教え、本を読んでくれる。

ひとりぼっちで屋敷内や庭を探検するトーリーはいつかスーザンたちを垣間見たりする。そして、ジョナサンが見つけた煙突内の煙道を探検して、失われた屋敷の宝を発見するトーリー。