著者はナチス政権下でドイツに生まれ、二歳でイスラエルへ。ヘブライ大学を出て、教師、ジャーナリストになった。
中学時代にユダヤ教徒追放令と、その後のスペイン、ポルトガルでの凄惨な異端審問を知り、衝撃を受けた。しかし、ユダヤ人ではあるが戒律を守らず、信仰を持たないため、当時のユダヤ人たちに誇りを持ちながら、深く考えてなかった。
ところが親類が調べたところ、父方はドイツだが、母方の先祖はスペインにあったことを知り、スペインを訪れ、今なお残るユダヤ人の文化のなごりや当時の暮らしを博物館などで知り、感動。その生きざまに息を飲む。
ベルギーの美術館で見た少年の肖像画、憂いと慈しみにあふれ、背負った苦しみがわかる姿を見て、作品の主人公にすることに。名前もカルロスと浮かぶ。
時は17世紀、スペインのコルドバで裕福な暮らしをしていたカルロス一家。13歳になったとき、家族の秘密を知る。ユダヤ人だった。異端審問の時代で、キリスト教徒と偽っていた。可愛がってくれた祖父母は身の危険を感じ、フランドルへ国外退去。その直後に両親は密告で捕まり、改宗を認めない父は火炙りで刑死、母も終身刑で投獄。さらに弟がペストでなくなり、一人になったカルロスは忠実なキリスト教徒の召し使いの世話で、スペイン南岸の港町マラガにいる叔父のもとに身を寄せる。
そして叔父の一家とともに、また同じ境遇の者とともに、フランドルの船長の船で、密かにフランドルへ退去する。嵐に襲われたり、海賊に襲われたりしたがなんとか到着。
ユダヤ人であることを隠し暮らそうとするが、叔父に仕事が見つからない。職人なら食いはぐれないと言われたカルロスの希望は絵描き。その絵が評価を受け、有名な画家に教えを受けられ、さらにフランス人の画商に誘われ、一人フランス南部のボルドーへ。実はいつか投獄された母親を救いたいと願うカルロスは少しでも母に近づきたかった。
海で死んだ息子に瓜二つのカルロスに肩入れする異教徒フランス人ポルエー氏の手助けで、スペインに入り、ついにはかつての召し使いの助けで母を取り戻すことに成功。
三年後、カルロス一家一族は自由都市アムステルダムで幸せだった。シナゴーグでの祭りで、旅で知り合った友や仲間に再会する。
宗教の違いを認め、尊重する寛容な生き方を描いたと訳者は述べている。出身や宗派の違いを越えて、ユダヤ人共同体が形成される初期を描いた作品だと。
中学時代にユダヤ教徒追放令と、その後のスペイン、ポルトガルでの凄惨な異端審問を知り、衝撃を受けた。しかし、ユダヤ人ではあるが戒律を守らず、信仰を持たないため、当時のユダヤ人たちに誇りを持ちながら、深く考えてなかった。
ところが親類が調べたところ、父方はドイツだが、母方の先祖はスペインにあったことを知り、スペインを訪れ、今なお残るユダヤ人の文化のなごりや当時の暮らしを博物館などで知り、感動。その生きざまに息を飲む。
ベルギーの美術館で見た少年の肖像画、憂いと慈しみにあふれ、背負った苦しみがわかる姿を見て、作品の主人公にすることに。名前もカルロスと浮かぶ。
時は17世紀、スペインのコルドバで裕福な暮らしをしていたカルロス一家。13歳になったとき、家族の秘密を知る。ユダヤ人だった。異端審問の時代で、キリスト教徒と偽っていた。可愛がってくれた祖父母は身の危険を感じ、フランドルへ国外退去。その直後に両親は密告で捕まり、改宗を認めない父は火炙りで刑死、母も終身刑で投獄。さらに弟がペストでなくなり、一人になったカルロスは忠実なキリスト教徒の召し使いの世話で、スペイン南岸の港町マラガにいる叔父のもとに身を寄せる。
そして叔父の一家とともに、また同じ境遇の者とともに、フランドルの船長の船で、密かにフランドルへ退去する。嵐に襲われたり、海賊に襲われたりしたがなんとか到着。
ユダヤ人であることを隠し暮らそうとするが、叔父に仕事が見つからない。職人なら食いはぐれないと言われたカルロスの希望は絵描き。その絵が評価を受け、有名な画家に教えを受けられ、さらにフランス人の画商に誘われ、一人フランス南部のボルドーへ。実はいつか投獄された母親を救いたいと願うカルロスは少しでも母に近づきたかった。
海で死んだ息子に瓜二つのカルロスに肩入れする異教徒フランス人ポルエー氏の手助けで、スペインに入り、ついにはかつての召し使いの助けで母を取り戻すことに成功。
三年後、カルロス一家一族は自由都市アムステルダムで幸せだった。シナゴーグでの祭りで、旅で知り合った友や仲間に再会する。
宗教の違いを認め、尊重する寛容な生き方を描いたと訳者は述べている。出身や宗派の違いを越えて、ユダヤ人共同体が形成される初期を描いた作品だと。