なんとか最後まで目は通したが、少し期待外れだったかな。

赤毛のアンで知られるルーシー・モード・モンゴメリは、ある本がきっかけで、九歳の時から日記を書き始めた。しかし、最初のものは本人が焼き捨ててしまい、残っているのは十四歳から五十三歳までの日記十巻のみ。

そのうち最初の二巻の抜粋の翻訳本三冊の一冊目が本書になる。モンゴメリ十四歳から三十六歳、1889~1910年までの、故郷プリンス・エドワード島で独身で過ごした日々が、幼い頃の思い出と共に綴られている。

本書ではその中の、十四歳から十八歳までを所収。幼年時代の思い出と学校時代を扱っている。
『赤毛のアン』シリーズの一冊目の終わりのあたりかな。学校仲間のたくさんの名前の登場に少し閉口する。

訳者によるモンゴメリの家系についての解説もあり、興味深い。作品のアンとは違い、モンゴメリは孤児ではない。物心つく前に母には死に別れ、やがて父は再婚して、カナダ本土の西部へ行ったので、母方の祖父母に育てられた。父方母方共にスコットランドからの移住者で、島の歴史、政治、社会、教育などに関わってきた一族。島の中は一族のものだらけで、かなりの地位を占めていた。しかもモンゴメリは一族の祖がイギリスのノルマン征服時代まで遡ることを誇りにしていた。
彼女が預けられた祖父母は郵便局を営む七十近い老人。六人の子を育てたあとに、十代の娘に対しなくてはならなかった。もともと厳格で頑固な彼らが年を取り、さらに融通が効かないときに預かったのが、人並み優れた知能と感受性を持つ孫娘。うまくいったとは思えないが、憎み合うほどではなかったようだ。そのためにモンゴメリは日記を書き、投稿する文章を書く道に進んだとも言える。

父方母方の双方から受け継いだ道徳的で知的な血と、情緒的な血。さらに祖父母から植え付けられた長老派教会の内省的生活が彼女を形成した。

幼い頃からの日記を幼稚で恥ずかしく思い、焼き捨てて、あらためて日記を書き始めた十四歳の九月から始まる。これからは毎日ではなく、書く価値がある日だけ書こう。人目に触れないようにしよう。友達、ボーイフレンド、嫌なやつなど青春真っ盛り。

やがて再婚した父のもとで一年を過ごすが、継母とは合わず、何人かの友を得て、帰郷。祖父母の反対にも関わらず、教師になるための勉強に入れるところまでが描かれていた。
やはり日記では楽しめないかな。続きはやめておこうか。