乾石さんのオーリエラントシリーズのひとつかどうかはわからない。シリーズの舞台よりは東方、中央アジアのような世界が舞台となる。湖には竜神の女神がいて、禁を破って女神に近づくものには災いを与える。

湖の西には砂漠が広がり、北には遊牧民の草原地帯がある。北岸のオアシス都市リアランは、隊商の中継地として繁栄し王国がある。王は病み、実権は第二妃カトラッカが握り、贅沢三昧の生活をしている。腹心であり愛人のエスクリダオは悪知恵にたけ、カトラッカのために、闇の仕事をしている。

三人の王子は十代で世間知らず。カトラッカの頼みで三人は南岸付近にあるらしい竜鏡探索の旅に出る。鏡法の占人でもあるカトラッカはほしいものの在りかを鏡に映すことができる。さらに未来の姿まで映し出すといわれるのが竜鏡。

王子の一人アラバスは湖真法を学んでいる。白柳の枝を丸めた環を湖につけて、何かを見ると、その真の姿を見ることができる賢者になれる。王子である甘えから思い上がっている彼はその術をマスターしていない。

旅の途中、金に汚いネオク王子か船で先を越したため、アラバスと長子ジャフルは陸路竜鏡を目指そうとしたものの、南岸に至り、領主に捕まり、奴隷として、鉱山労働をさせられる。

その間、王国では北から迫るノイウルン族と東の大国央美国を、悪巧みで互いに戦わせ、漁夫の利を得ていた。
ようやく奴隷から抜け出したジャフルとアラバス。南岸の二国が先端を開く間際で、そこにネオクがいると知り、助けにいく。するとネオクのもとに竜鏡もあり、それを追って、カトラッカとエスクリダオも現れる。

竜鏡には昔地の底からわき出た闇の存在に侵されたものが殺した女神の子供が封印されていた。そして殺人者は女神により男女に分身されて転生を繰り返していた。カトラッカとエスクリダオがまさにそれだとわかる。女神の怒りにより二人は死に、闇の力の一部を取り込んだアラバスは、環なしで物事のすべてがわかる力を得た。

王国に戻るものの、アラバスは政務につかず、国内を巡り、戦争で疲弊した国を立て直そうとする。

はじめは印象が薄かったアラバスが主人公だったのか。奴隷生活の描写が長く、最後の方が走りすぎの感じもしたが、一気に読まされたということは面白かったかな