どうにか最後までたどりついた。上巻よりも長い、 444頁。

時間がない。新年を迎えたら悪神クセハーノは、全世界を手に入れてしまうかもしれない。彼の野望を阻止するには新年までの三週間しかない。

弟オリバーがクワシニアに向かうのを見送った姉ジェシカはその時の記憶がない。しかし年上の友であり同士であるミリアムと、クセハーノの秘密を探索する内に思い出してきた。それを倒すには、碑文の失われている最後の一行を解読しなければならない。写したメモは消えてしまった。クセハーノに奪われたようだ。

世間では過去の過ちをユダヤ人への過ちを忘れようとする風潮が起こり始めている。記憶が盗まれようとしている。

一方オリバーと仲間たちはペガサスの背に乗り、賢人が住むと言うアンナハーグ山を目指していた。火山と言うことで、クセハーノの使い魔が連れ去った記憶を葬っている場所でもある。たどり着いてみると、使い魔の手下であるグリフィンが多数飛び回っている。そして見つかって、火口の中に落ちていった。
しかし、火口には見せかけてあるだけで、実はそここそが、先住民の小人の地下住居を利用して作り上げた賢者の住まいだった。彼らの助けで傷を癒し回復した一行には賢者も加わり、クセハーノの宮殿を目指す。伝説のオランダ人船長の船に乗り、海上にあるアムネシアを目指す。そこでは連れ去られてきた記憶たちがクセハーノの圧政を受けていた。ペガサスとハチドリを反乱者への連絡に向かわせたあと、オリバーたちは捕まってしまう。地下牢であったのはオリバーの父親だった。
ジェシカは碑文の写しをとった折りに、カメラに納めたことを思いだし、不明の最後の一行はわかったものの、楔型文字で読めない。ジェシカは暗号解読のネット仲間に声をかけて解読を試みる。そしてついに成功する。

そのあと博物館に忍び込みイシュタル門の前にいたジェシカとミリアムの前に現れたのは行方不明の父親だった。

こちらの世界の三人とあちらの世界のオリバーたち、二組は無事会えるのかどうか?クセハーノの野望は阻止できるのかどうか?

ワクワクドキドキしながら最後まで一気に読んでしまった。面白かったし、古代メソポタミアの歴史にも興味を覚える。

やはりイーザウの作品はまた読んでみたい。次は少し短い『パーラ』がいいかな。こちらは記憶ではなく、言葉が盗まれる話らしい。エンデの時間泥棒の話『モモ』のオマージュらしい