西暦元年の頃、現在のイラン辺りを治めていたのはパルティア王国。その王族の一人が反乱を起こしたことで、一族は離散。成人した兄と十二歳の妹ミトラ、末っ子のババクは、かつては死者を弔っていた崖の洞穴に密かに隠れすんでいた。王族の暮らしに戻ることを願うミトラは、隠した財産のありかを知る兄を旅たたせたものの、音信不通。

そして偶然知った弟の能力。他人の持ち物を身に付けて眠ると、その人の望みを夢見る。しかも正夢になることが多い。それが噂を呼び、祭司メルキオールの率いる隊商に加わり、旅に出ることになる。身分を隠し、ミトラも少年として。

祭司の夢に現れる天文現象の謎を解明するために西に向かう旅。祭司はより賢い祭司に相談しようとしていた。一方、折りを見て逃げ出し、一族が逃れて行ったと聞くパルミュラへ行きたいと思うミトラ。

彼女たちの素性に気づき、王に引き渡して褒賞金を狙う商人。彼に騙されて隊商から引き離されたものの、地下水路に飛び込んで難を逃れた二人を助けてくれたのは茜村クーシャ親子だった。彼に引かれるものを感じながらも、王族の誇りを捨てられないミトラは、探し出してくれた隊商の男とともに一行に戻る。

やがて二人の祭司も加わり、三賢人が揃う。星の動きの謎を解明するべくひたすら西に向かい、二大河、チグリスとユーフラテスを越えた頃、ミトラ姉弟の素性がばれ、王の追っ手が来ることがわかると、共に旅をしていた隊商は逃げ出し、少ない人数で、西の砂漠を横断することになる。砂漠を北上すれば、一族の逃れ住むパルミュラがあると知り、密かに脱走を考えていたミトラだったが。砂漠の横断の過酷さはそんな思いなど吹き飛ばすほど苦難の旅だった。

ようやく砂漠を越えた先にあったのは、ローマ支配下にあるユダヤの地。星の観測とババクの夢に導かれて訪れた貧しい家。生まれたばかりの赤ん坊に、三賢人は用意していた贈り物を渡す。

三人の祭司は別れて帰国の途につき、二人をパルミュラまで送るといった祭司も、ユダヤ王の兵に恐れて逃げ出す。夢で王により赤ん坊が殺されることを知った二人は、村人に知らせて何人かは助けることができた、その夫婦の世話で、近くの町の隊商宿に住み込む二人。そこへ現れたのが茜村のクーシャ。一族がほぼ壊滅した聞いたミトラの安住の地はそこかもしれない。

三賢人が祝った赤ん坊がイエスキリストとして登場するのは、まだ何十年か先の話か。