二、三日停滞していた読書、ようやく一冊。朝から秋晴れの涼しい日。息子を駅まで送り、そのあと眼科と内科へ母親の薬をもらいに行く。

ピアスは『トムは真夜中の庭で』についで二冊目。今度は動物ファンタジー。

生まれてすぐ母親は離婚して、幼いベットは祖父母のもとで育った。アラムおばさんの近所で独り暮らしのフランクリンさんが足に怪我をしたため、おばさんはベットをつれて家事をするために通っている。

フランクリンさんに庭の川べにある丸太で本を読んでくれと頼まれたベット。指定されたミミズに関するダーウィンの文を読んでいると、現れたのはモグラ。しかも話をする。フランクリンさんはそのモグラを捕まえて観察し研究材料にしようとしていた。友達扱いしてくれるベットに親しんだモグラは、やがて不思議な彼の過去を話始める。

三百年前ロンドン郊外ハンプトンコートに生まれた。イギリスを追われたスコットランド王の復活を策すジャコバイトは、メアリー女王のあとを継いだウィリアム三世がモグラ塚につまづいた馬から落ちて死んだことから、そのモグラを黒ビロードの紳士と呼び敬った。さらにスコットランドまでつれて行き、魔女の薬で永遠の命を得た。さらに空腹で食べた怪しい薬のため人語を解せるようになる。
故郷に戻りたいと穴を掘り続けること百年あまり、ようやくイングランドに来たモグラ。教会の娘と知り合い、しばらくは平和なときを過ごした。しかし見せ物師に捕まり、命からがら逃げた。ヨークである少年とたのしい時を過ごしてから、帰巣本能から南へ。

一番の望みはもとのモグラに戻ることだという。ならば自分の魔法力でそうしたらいい。まずは練習のために、私を小さくしてとベット。モグラの穴に入り込み、地下世界を探検することになる。

音信のなかった母親が再婚し、出産。ベットを引き取りたいと言ってくる。不安なまま会った母は優しかった。アパートの上にすむ少女とも友達になれそう。

モグラをもとに戻したらもう友達でいられない。いざとなったら躊躇してしまったベットは、母との新たな生活が楽しみになると、モグラの望みを叶えることにする。そして、新たな友をつれて帰っても、もうモグラには会えないし区別もつかない。でも地下で見たボタンみたいなものが、プレゼントのように、モグラ塚の外に置いてあった。まだ少しは記憶が残っているのだろうか?

なかなか面白かったが、色々考えさせられることもあった。