朝から読みはじめてようやく読了。長いし、普通の女の子の疎開生活を描いているだけなのに、いつか引き込まれてしまった。

時は第二次大戦中のイギリス。父を亡くし、女優の母親と暮らす姉妹。母が慰問団として海外へいくことになり、姉妹は田舎の海辺の町へ疎開することになった。二人の世話をするはずだった女性も召集され、家事を何もしたことが姉妹だが、世話する女性がいないことを母には隠して疎開生活を送ることに。

海辺の高台の上にあるコテージには、今は草がはびこってはいるが、庭もついている。もとの持ち主は狂人と言われ、近所で嫌われていたと聞いていたが。
美人で優等生の姉ダイアナは、それゆえに人が寄り付かないため、自信がなくひっこみじあん。醜い白鳥の子と思う妹ローズは、なにかと姉と比較されコンプレックスがあった。ソレでも自分の好きなことやりたいことには積極的に向かう活発な少女。

ローズは狂人ヒルダが隠していた鍵を見つけ、閉ざされた部屋のなかで、ヒルダの持ち物を発見する。しかもそのなかにヒルダの日記を見つけ、いけないと思いながらも読み続け、ヒルダの数奇な人生を垣間見て、心を揺さぶられる。

資産家の末娘に生まれたが、病弱の母親の面倒を見ることに決められていたヒルダ。恋人ができたが別れさせられ、彼は兵役で海外へ。出発前の一週間を二人で過ごして授かった息子は取り上げられ、彼女は精神病院に閉じ込められる。二十年後兄により戻され、海辺のコテージで独り暮らし。作家としても認められ、疎開児童の世話をしていたヒルダは、晩年になって彼と瓜二つの孤児、息子を見つけ、密かに援助し、古本屋を与える。

息子を兵役に出してる近所のおばさんクラレンス夫人のお陰で家事を始めた姉は、休暇で戻った夫人の息子と恋に落ちる。世間に後ろ指差されてる未婚の妊婦トッドにも暖かく接してやる。

最初敬遠してたローズもドットを気に入り、ついには一人で出産の手伝いをする羽目にまで。書店主アレクのいとこデリーと恋をしたつもりで初体験したローズは、最後にはアレクへの愛を見つける。彼の世話でローズが書いた小説は本になる。そして彼こそヒルダの奪われた息子であることが判明し、かなりの遺産も見つかる。幸せ真っ最中の二人にはまだ兵役が待っている。ともに事務職とはいいながらも。戦争が終わり、いつかこの町で暮らせたらいいな。